キッチンカーを開業するにあたって、「保険」のお悩みはありませんか?
交通事故をはじめ、提供メニューを介した食中毒や火傷など、キッチンカーの営業にはさまざまなリスクがあります。
このような万が一のリスクに備え、キッチンカーが優先的に加入すべき保険は、自動車保険とPL保険(生産物賠償責任保険)の2種類です。
さらには、上記2つの補償範囲をカバーする施設所有者賠償責任保険もあります。
「キッチンカーの保険にはどんなものがあるの?」「加入するかの判断基準は?」「適用範囲はどこまで?」
そんな疑問に詳しくお答えしているので、キッチンカーを開業する方はぜひ参考にしてください。
キッチンカーの自動車(車両)保険とは
キッチンカーはカスタマイズした車両のため、多くの方は8ナンバー(特殊用途自動車)で登録します。
そして、4ナンバー(小型貨物自動車)や1ナンバー(普通貨物自動車)で登録していれば一般の保険会社で加入できますが、8ナンバーで登録した場合は専用の保険に加入する必要があるのです。
また、4ナンバー・1ナンバーで登録したキッチンカーの保険料は、自家用車に比べて高くなる傾向にあります。
保険加入は任意ですが、リスクを考えて必ず入っておくべきでしょう。
自動車保険に入る必要性
交通事故発生のリスクを考えた場合、保険には入るべきと考えるのが妥当です。
キッチンカーは運転頻度も高く、自作DIYで作っている場合は耐久性が落ちている可能性もあります。
そのため、キッチンカーは通常の車に比べて交通事故のリスクがやや高いといえるでしょう。
交通事故を起こしてしまうと、営業できなくなるだけでなく、相手側に大きな損害を負わせてしまいます。
その場合、自らの力だけで補償できるでしょうか?
キッチンカーで開業するなら、万一の事故に備えて自動車保険には必ず入っておきましょう。
キッチンカーの自動車保険料は高額になる
キッチンカーの保険料は一般的に年間10〜15万円で、自家用車よりも高額です。
また、1ナンバーや4ナンバーは普通の保険会社でOKですが、8ナンバーのキッチンカーは先述の通り、専用の保険に加入しなければなりません。
一般的にキッチンカーの保険料が高くなる理由は、以下の通りです。
- 使用目的が業務用
- セカンドカー割引を適用できないため
- 運転者の状況を設定できないため
①使用目的が業務用
自動車保険に加入する時、「日常・レジャー用」「通勤・通学用」「業務用」の中から使用目的を選んで申告しなければなりません。
キッチンカーの場合は「業務用」で申告します。
業務用の自動車は事故発生リスクが高いとみなされるため、自家用車よりも保険料が高くなるというわけです。
②セカンドカー割引を適用できないため
車を2台以上持っている場合、2台目以降は保険料が安くなる「セカンドカー割引」があります。
ただし、キッチンカーは下記「セカンドカー割引の条件」の2つ目を満たしていないことが多いため、割引が適用されません。
- 1台目の車の自動車保険の等級が11等級(無事故の場合の割引率47%)以上
- 2台目の使用目的が1台目と同じであること
キッチンカーで開業する方の多くが、1台目は「通勤・通学用」「日常レジャー用」の自家用車、2台目がキッチンカー (業務用)でしょう。
1台目と2台目の使用目的が一致しないため、セカンドカー割引が適用できず、割引率19%の6等級から加入するしかないのです。
③運転者の条件を設定できないため
自動車保険は「運転者が高齢」「運転者が特定の人」という条件で保険料が優遇されます。
ところがキッチンカー の場合は、運転者の条件を指定できず、自動的に「全年齢保障」「全運転者対象」の保険になるため、保険料が割高になるのです。
以上のように、「使用目的が業務用」「セカンドカー割引を適用できない」「運転者の状況を設定できない」という3つの理由から、キッチンカーの保険料は高額になります。
自動車保険に車両保険は付けるべき?
車両保険とは自分の車の修理費などを補償する保険です。
車両保険に加入するかどうかの判断基準には個人差があり、どこまでの補償を求めるかによって異なります。
たとえば、「小さな損傷であれば自分で修理できる」「修復できないような大きな損傷の場合は廃車にする」という考えであれば、必要ないでしょう。
反対に、「修理に自己資金は使いたくない」「保険料を支払ってでも万一のときは補償してもらいたい」と思うのであれば入るべきです。
保険とはあくまでも「もしもの時に足りない金額のみ」を補償してもらう仕組みです。
必要なければ、車両保険は付けなくてもよいでしょう。
8ナンバーは自動車保険に入りにくい
ダイレクト型保険(インターネット上で損害保険会社と直接契約する)の場合、8ナンバーの車は加入を断られることがあります。
実は、8ナンバーの車は他ナンバーの車に比べて保険料が比較的安く設定されています。
そのため、8ナンバーで登録するために一時的に特殊設備を搭載して保険加入し、後で取り外す違法業者が増加しました。
このような流れを受けて、8ナンバーの保険加入を認めない保険会社が増えたのです。
したがって、キッチンカーの自動車保険に入るためには、8ナンバー専門の保険を探す必要があります。
8ナンバーは車検の手間が省ける
8ナンバーで登録したキッチンカーは、1ナンバーや4ナンバーに比べて車検の手間を省けます。
1ナンバー・4ナンバーのキッチンカーの場合、車検の際にすべての荷物や設備を取り外さねばなりません。
なぜなら、1ナンバー・4ナンバーの定義は「貨物自動車」で、調理販売を目的とした車ではないからです。
設備を搭載したままだと、登録ナンバーと使用目的が一致しないため、車検の際は荷台部分を取り外す必要があります。
一方、8ナンバーであれば調理機材や作業台などもそのままで車検に出せます。
その他にも、1ナンバー・4ナンバーが1年車検なのに対して、8ナンバーは2年車検というメリットもあります。
1年に1回、車検のたびに設備を取り外す手間を考えれば、最初から8ナンバーを取得しておくのがよいでしょう。
自動車保険の適用範囲
キッチンカーの場合、自動車保険(車両保険)の適用範囲は、ナットやボルトで車両に固定された部分のみです。
たとえば、ロープなどで固定しただけ・積んでいるだけの調理機器などは、車両保険の補償対象ではありません。
キッチンカーのPL保険(生産物賠償責任保険)とは
PL保険とは、食品(生産物)がお客様に損害を与えるような「もしもの場合」を補償する保険です。
キッチンカーで開業するなら、PL保険にも入っておくのがよいでしょう。
食中毒・火傷などを補償!PL保険に入っておく必要性
PL保険が補償してくれるのは、以下のような場合です。
- 販売した食品を食べたお客様が、帰宅してから食中毒を発症してしまった。
- 商品受け渡しの際にお客様の服を汚してしまった。
- コーヒーをこぼしてお客様を火傷させてしまった。 など
キッチンカー営業では、店舗営業ほど強い火力や高性能の冷蔵庫を用意できません。
さらに、限られた狭いスペースで作業するため、上記のようなトラブル発生のリスクは高くなります。
自分のキッチンカーから食中毒を出してしまった場合、数十万〜数百万円の賠償金を請求されることもあります。
もしも数百万円の賠償金を支払うとなれば、事業継続すらも危うい状態になりかねません。
また、営業場所によっては、PL保険の加入が必須条件になっている場合もあります。
以上のことから、PL保険には加入すべきでしょう。
ノロウイルスにも補償のある「安心フード君」がおすすめ
PL保険の中では「安心フード君」がおすすめです。
安心フード君をおすすめする理由は「保険料が安い」「ノロウィルスの補償が充実している」ことです。
安心フード君の保険料は業種と年間売上高で決まり、各都道府県の食品衛生協会によって若干異なるようです。
キッチンカーの保険料であれば平均5000円前後、高く見積もっても年間10,000円以内でおさまるでしょう。
また、安心フード君であれば、飲食物が原因のノロウイルスに加えて、施設(床・空調など)が原因のノロウイルスも補償してくれます。
さらに、二次感染患者(同居家族)まで補償するなど、さまざまな感染経路に対する手厚い補償が特徴です。
安心フード君でPL保険に加入しておけば、不安なく営業できるでしょう。
キッチンカーの施設所有者賠償責任保険とは
施設の構造が原因でお客様に損害を与えてしまった場合におりる補償が、施設所有者賠償責任保険です。
たとえば、以下のような場合に補償してもらうことができます。
- 跳ね上げ窓が急に閉まって、お客様が頭を打ってケガをしてしまった
- 看板が風で飛ばされ、お客様に当たってケガをさせてしまった など
このように、自動車保険やPL保険では対象外の損害でも、施設所有者賠償責任保険に入っていれば補償してもらえます。
とはいえ、現状では加入している事業主は少なく、必要に応じて加入を検討するとよいでしょう。
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さらには車両のアフターメンテナンスにも対応しており、開業後にトラブルや事故がありましたら、車両の引き上げや修理にも対応可能です。
修理中には代車も提供いたしますので、万が一の際にもキッチンカー営業を継続していただけます。
無料で資料請求・お見積もりも承っておりますので、「うまく開業できるか不安・・・」という方はぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
キッチンカーの営業に必要な保険は自動車保険とPL保険の2つです。
キッチンカーの営業においては、通常の店舗経営では起こり得ないリスクがあります。
それらすべてのリスクを保険でカバーすることは難しいですが、損害額が大きくなりそうなリスクには備えておくべきでしょう。
経費を抑えたいお気持ちもあるとは思いますが、リスクマネジメントの観点から、保険には加入されることをおすすめします。
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