イベントや街で営業しているキッチンカーの中はどんな内装になっているのか知っていますか?
この記事では、基本の内装や設備、おしゃれな内装例などを紹介。
また、キッチンカー営業に必須の「保健所の営業許可」を取るために知っておくべき内装や設備の基準についても解説します。
基本!キッチンカーの内装を製作するポイント
キッチンカーの内装を仕上げるポイントは以下の6つです。
床
内装で床を製作する際は以下のポイントが大切になります。
- 滑りにくく清掃しやすい素材を使う
- 濃い色にする
- 断熱材、防炎素材を使う
キッチンカーの床は店舗の清潔感を左右する大切な部分です。
水拭きできる素材で、汚れが目立たないような濃い色の床にするとよいでしょう。
また、安全面からも滑りにくい素材がベストです。
多くのキッチンカーでは、耐水性があって丈夫なコンパネ(コンクリートパネル)とフローリングマットが使用されています。
他にも夏場は車内の温度が高くなるため、床板を貼る前に断熱材を敷くようにしたり、火を扱うキッチンカーの場合は防炎素材を使って火災対策などの工夫も必要です。
壁、天井
壁と天井にも断熱材や防炎素材を使うことで、暑さ・火災対策になります。
また保健所から営業許可をもらうためには、天井もしくは壁のどちらかに換気扇を設置しなければいけません。
煙や油で頑固な汚れがこびりつきやすいので、壁や天井も清掃しやすい素材にしておくとメンテナンスも楽になります。
窓、扉
キッチンカーの窓はとても重要です。
商品が提供しやすいうえ、調理風景が見えることでお客様に楽しんでもらえるように大きめの窓を設置することをおすすめします。
窓には窓タイプ・跳ね上げタイプ・シャッタータイプがありますが、店舗イメージや販売用途に応じて選ぶと良いでしょう。
窓タイプのイメージ。
窓タイプのキッチンカーの場合、大きな窓を設置して内装をアピールできるメリットがあります。
跳ね上げタイプのイメージ。
跳ね上げタイプの窓は、おしゃれなデザインに加えて雨よけにもなりますので、雨の日に商品を濡らさずに渡せるというメリットがあります。
シャッタータイプを選ぶ人は比較的少ないようですが、営業準備やメンテナンスが楽な点がメリットでしょう。
また、食材・備品の搬入や車検の際に設備を出し入れすることも考えて、後部の扉は観音開きタイプにしておくと便利です。
設備、機械
キッチンカーに必要な設備や機械には、冷蔵庫・冷凍庫・シンク・作業台・調理用機器などがあります。
扱う商品によって必要な設備は変わりますので、適切な設備を選ぶようにしましょう。
冷蔵庫の選び方はこちらの記事をご覧ください
また、調理台には防水加工をしておきましょう。
ほとんどの保健所では防水加工をしていないと営業許可がおりません。
防水加工がされていれば掃除も簡単となるので、必ず施しておいてくださいね。
設備や機械の設置場所を決める際には、営業中の実際の動きをシミュレーションしておくことも大切なポイントです。
使いやすい動線を作ることで営業効率も上がり、完成後に「作業しづらい」と感じるようなトラブルも回避できます。
カウンター
カウンタースペースはなるべく広めに取り、腰に負担のかからない高さに設計しましょう。
カウンターは商品の受け渡し・レジ業務・梱包作業などに加えて、一時的に物を置く場所としても利用し、何かと作業することが多い場所なので広めのスペースが必要です。
また、キッチンカーの営業では腰痛に悩まされる人が多いことをご存知ですか?
長時間にわたる無理な体勢での作業で腰を痛めないよう、腰を曲げずに作業できる高さにしておくことをおすすめします。
収納
キッチンカーには食品や商品の容器を収納するスペースも必要です。
できるだけたくさんの物が収納でき、落下も防げる扉付きの収納スペースを作るようにしましょう。
また、内装ではありませんが、熱源や電源を確保する必要がある場合はこちらの記事を参考にしてください。
重要事項!保健所の営業許可でチェックされる内装
キッチンカーの内装においては、機能面やデザイン面を重視するだけでなく保健所の営業許可を意識して製作することが重要です。
営業許可を取るためのチェック項目
保健所の営業許可を取るための基本的なチェック項目は下記です。
- 運転席と調理販売スペースが完全に分けられていること
- 換気扇の有無
- 床や壁の材質は適切か
- シンクの大きさや数は充分か
- 給水・排水タンクの設置と容量
- 収納ケースがあるか
- 販売スペースの有無 など
他にも、販売する商品によっては冷蔵庫・冷凍庫の有無、販売部分にサッシや網戸がついているかなどもチェックされます。
いつでも清潔に使える石鹸や消毒液が用意されているかなども、チェック項目になることがあるようです。
保健所のチェック項目や営業許可に必要な設備は、営業する地域によって異なります。
事前によく確認してから内装の製作に入りましょう。
保健所から営業許可をもらうためのポイントについては、こちらの記事を読んでおいてください。
おしゃれな内装を作るポイント
キッチンカーを製作する時はどうしても外装に力を入れがちですが、外装以上に内装にもこだわるべきです。
内装の配置によって提供効率は変わりますし、料理ができるのを待つ間に内装や調理風景を見ているお客様は意外と多いものです。
テキパキとスマートに営業している姿や、清潔でおしゃれな内装を見てもらうことで、お客様の期待値や満足感も高まります。
ここでは、おしゃれな内装を作るポイントを紹介します。
窓を大きくして奥行きを作る
キッチンカーは可能な限り大きい窓が理想的です。
大きい窓であれば奥行きを演出して内装を見てもらえるうえに、調理工程をパフォーマンスとしてお客様に楽しんでもらうことができます。
内装や調理工程が見えればお客様も安心しますし、並んで待っている間も退屈しません。
また、視覚や嗅覚に訴えかけてお客様の期待感を高めることにも一役買ってくれます。
大きな開放感のある窓にして、おしゃれな内装と美味しそうな料理を作る姿をお客様に見てもらうようにしましょう。
あえて調理器具を見せる
調理器具にも照明を当ててディスプレイするだけでも印象は変わります。
特に、特殊な調理器具を使うお店の場合は積極的に調理器具を見せてパフォーマンスしましょう。
たこ焼き店がたこ焼きをクルクル返していく姿や、ケバブ店が大きなお肉の塊を豪快に焼いて切り落としていく様子には目を奪われるものです。
料理を作るまでのパフォーマンスも、お客様にとってはごちそうになるのです。
このように特殊な調理器具を使うキッチンカーの場合、お客様から見えやすい窓側にその調理器具を配置するようにしましょう。
調理器具を見せながらのパフォーマンスで、より一層の差別化を図ることができます。
お店の世界観を表現して差別化
内装ではお店の世界観を表現することで他店との差別化につながります。
世界観を考える時は、まず「お客様にどのような体験をしてもらいたいか」をベースに考えると良いでしょう。
お客様に気軽でフレンドリーな感覚で来店してもらいたいなら、明るい色合いでナチュラルなテイストの内装。
ちょっとした非日常を味わってもらいたいなら、モノトーンでまとめてシックで高級感のある内装にするなどです。
そのベースに「個性」や「価値観」をプラスしていくと、内装で独自の世界観を表現できます。
少し極端な例ですが、サーフィンが好きならサーフショップに飾ってあるようなインテリアをちりばめるなども1つの表現方法でしょう。
世界観をうまく演出するコツは、少ない壁面を有効に活用することです。
装飾・照明・模様・素材など、壁のデザイン次第でお店の雰囲気も大きく変わります。
壁面にこだわるなら、見せたくない部分は隠れるように、見せたい部分がお客様から見えるように設計することも大切です。
その他の内装を決めるポイント
内装を決める際に、デザイン以外にも考慮すべき大切なポイントがあります。
販売する商品(食材)によっても異なる
どんな商品(食材)を扱うかによって必要な調理器具や配置が異なりますので、事前によく考える必要があります。
たとえば、焼きそばやたこ焼きを販売するなら専用の焼き板が必要です。
チュロスやドーナツを販売するなら専用のフライヤー、カレーや牛丼なら具材を煮込む大きな寸胴鍋が必要です。
このように販売する商品によっては、調理器具が大きくスペースをとることもあるので、調理器具の配置には気をつけなければなりません。
キッチンカーの魅力は出来たての料理をスピーディーに提供できることです。
しかし、設備や調理器具の配置を間違えると作業効率が下がり、提供スピードも落ちてしまいます。
調理工程から提供まで一連のアクションがスムーズにいくように、設備や調理器具の配置を考えてから内装を製作しましょう。
スタッフの人数も考慮する
スタッフの人数も、内装を決めるうえで考慮すべき重要ポイントです。
調理から販売まで1人でこなすのか、調理と販売を分けて複数名で営業するのかで内装は大きく変わります。
複数名で営業する場合は、動きやすさに加えて安全性にも配慮した内装にする必要があるでしょう。
車検のことも考えて
デザインばかりに気を取られて、車検に通る内装にすることを見落としがちなので注意が必要です。
キッチンカーの場合、陸運局に4ナンバーの軽トラックで登録しているか、8ナンバーの加工車として登録しているかで車検の通し方が異なります。
8ナンバーの加工車で登録している場合はそのまま車検に通すことができますが、4ナンバーの軽トラックで登録している場合は荷台の部分の設備を全て外さなければ車検に通すことができません。
うっかり設備を取り外せない内装にしてしまって車検の時に困らないように、事前に対策しておきましょう。
車検の通しやすさだけを考えれば加工車として登録することがおすすめです。
しかし、加工車として登録するには車種や設備に関して細かい条件が定められています。
保健所の営業許可と同様、地域によって条件が異なる場合もあるので、事前に陸運局に問い合わせて加工車登録できる車かどうか確認しておきましょう。
内装の改造がしやすいキッチンカーにおすすめの車両
キッチンカーを選ぶ際には、内装の改造に適している車両を選びましょう。
ここでは、キッチンカーの人気車種の中から特におすすめの車両を紹介します。
軽トラ
軽トラのメリットは天井の高さと維持費が安いことです。
天井が高いと首や腰をかがめなくても作業できるので、長時間の立ち仕事でも苦になりません。
また、自動車税などの維持費が安ければ、余った分を内装改造費や商品開発費に回すこともできるでしょう。
軽トラのおすすめ車種は「スズキ キャリー」で、コストパフォーマンスの良さ、性能の高さ、カスタマイズやラッピングの自由度が高いことがおすすめポイントです。
軽バン
軽バンはかわいいカスタマイズがしやすいこと、スペースが少ないため改造費用を抑えられることがメリットです。
また、すでにキッチンカーに改造された中古車両が豊富にある点も魅力でしょう。
ただし、座ったまま調理しなければならないことや、複数名での作業ができないというデメリットもあります。
軽バンのおすすめ車種である「スズキ エブリィ」は元からかわいいデザインなので、女性ウケの良いデザインにカスタマイズしやすい車種といえます。
複雑な調理工程の商品を販売するよりは、手軽に提供できる商品の販売に適しています。
ホットドッグやサンドイッチなどの軽食類、コーヒーやスムージーなどのドリンク類、クレープやケーキなどのスイーツ販売に向いているでしょう。
1tトラック
1tトラックは調理スペースが広く2名〜3名で作業できますので、よりこだわった商品を販売できます。
ただし、内装改造費用が高くなりがちであることと、営業場所の制限を受ける可能性があることも知っておきましょう。
1tトラックのおすすめ車種は「トヨタ タウンエース」です。
車体が大きいため十分な調理スペースが取れますし、走行性能がとても良いので販売場所まで高速道路で移動する場合でも快適でしょう。
「マツダ ボンゴ」もおすすめの1tトラックですが、こちらは残念ながら2020年で生産終了してしまいました。
中古車両で探しているならマツダ ボンゴもおすすめです。
どんな大きさの車両にするか迷っている人はこちらの記事をお読みください。
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まとめ
キッチンカーは内装で差別化することも大切だとお分かりいただけたのではないでしょうか?
おしゃれで使いやすいキッチンカーを製作し、人気キッチンカーを目指したいですね。
ただし、キッチンカーを製作する際は必ず「保健所の営業許可」がおりるように気を付けましょう。
キッチンカーの内装改造は、製作会社に依頼するか自作DIYするかの2択になります。
メリット・デメリットや予算を考慮したうえで最適な方を選ぶべきですが、製作会社に依頼する方がベターです。
ぜひ製作会社をうまく活用しながら、ご自身のコンセプトに沿った理想のキッチンカーを目指してください。
自作する方法が知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。