「キッチンカーでバーを開業したいけれど、そもそもキッチンカーでお酒を販売できるのかがわからない・・・」という方は多いのではないでしょうか。
キッチンカーでお酒を販売するには、店舗型のバーや居酒屋とは違う資格や許可が必要です。
この記事では、キッチンカーでお酒を提供するのに必要な準備や資格に加え、人気のキッチンカーも紹介しているのでぜひ参考にしてください。
キッチンカーでアルコール(お酒)の販売はできる?
まずは、キッチンカーでお酒を販売するための4つの条件を解説します。
開栓した状態なら販売できる
結論から言うと、キッチンカーでのアルコール販売は、保健所で飲食店営業許可を取得し、缶や瓶を開栓した状態なら販売が可能です。
未開栓の缶ビールなどは販売できないため、コップなどの容器に注いで販売しましょう。
飲食店営業許可が必要
キッチンカーでお酒を販売するには、保健所で「飲食店営業許可」を取得している必要があります。
以前は開栓した状態でも大分県ではキッチンカーでお酒を販売することが禁止されていましたが、法改正により現在は販売できるようになりました。
なぜ未開栓のお酒は販売できない?
未開栓の缶のままで販売するには国税庁による「酒類販売業免許」の取得が必要ですが、キッチンカーの場合は対象外となります。
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つまり、キッチンカーで未開栓の酒類は販売できないということです。
深夜にお酒を提供する場合は許可が必要
深夜0時を過ぎてからお酒を提供する場合は、所轄の警察署に「深夜酒類提供飲食店営業届」を提出する必要があります。
警察署への申請には、飲食店営業許可書や住民票の写しが必要な場合もあるため、あらかじめ所轄の警察署に確認してから申請書類を用意しましょう。
ただし深夜酒類提供飲食店営業届は、あくまでお酒を提供するバーや居酒屋などの飲食店を経営する場合に必要な書類です。
お酒を提供するすべてのキッチンカーで必要というわけではないので、自分のお店が該当するかどうかは、所轄の警察署に確認してみましょう。
提供許可品目数に注意
キッチンカーでお酒以外にフードも販売したい場合、提供品目数に注意しましょう。
提供品目数は保健所の営業許可を取得する際に定められます。
例えば給排水タンクの容量が40Lより少ない場合は、提供品目が1品目までしか認められない場合があります。
設備によって販売品目数が異なるということは、キッチンカーの製作・購入前からメニューを視野に入れて計画することが大切です。
出店場所の管理者へ確認が必要
キッチンカーを出店する場所によっては、お酒での騒音やトラブルを避けるために、お酒の提供ができない場合があります。
他にも、イベントやフェスなどではお酒のメーカーを指定されることもあるため、事前に出店場所の管理者への確認が必要です。
お酒を販売するキッチンカーの開業までの流れ
キッチンカーでお酒を販売するまでの流れを説明します。
- コンセプトや戦略を考え必要コスト・予算を算出
- 開業資金の調達
- 必要な資格や許可・設備・手続き
- 出店場所の確保
- キッチンカーの準備・仕込み場所の確保
- 必要な保険に加入
- 食材の仕入れ
- 広告・SNSなどで宣伝
また、開業についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
キッチンカーの開業に必要な資格と営業許可
お酒を販売するキッチンカーに必要な資格と許可は、主に2つです。
食品衛生責任者
食品を扱う営業をする場合、施設ごとに必ず1名以上の「食品衛生責任者」を配置する必要があります。
食品衛生責任者の資格を取得するためには、各都道府県の食品衛生協会が開催している「食品衛生責任者養成講習会」を受講しなくてはなりません。
食品衛生責任者について詳しく知りたい方は、以下もご覧ください。
飲食店営業の営業許可
キッチンカーでアルコールを販売する際には、保健所で「飲食店営業許可」を取得する必要があります。
保健所へ営業許可申請の際には、先述した「食品衛生責任者」の資格と「移動販売で使用する車」の申請も併せて行いましょう。
また、キッチンカーの営業許可は全国共通ではないため、出店する地域を管轄している各保健所で申請・取得する必要があります。
たとえ近隣でも、他県で営業したい場合は、改めて営業予定の都道府県の保健所に営業許可を申請・取得しましょう。
飲食店営業の許可について詳しく知りたい方は、以下もご覧ください。
お酒を販売するキッチンカーに必要な設備
キッチンカーでお酒を販売する際には、以下の設備が必要です。
- 冷蔵庫
- 冷凍庫
- ビールサーバー など
缶ビールや缶チューハイ、カクテル等を販売するには、冷やしておくための冷蔵庫は必須となります。
また、カクテルなどに使用する氷を保管する冷凍庫も必要です。
加えて生ビールやクラフトビールを販売する場合はビールサーバーも必要となるでしょう。
ビールサーバーはビールメーカーと連携して設置しましょう。
冷蔵庫と一体型のビールサーバーであれば製作中の設置、単独のビールサーバーであれば製作後に設置することができます。
お酒を販売するキッチンカーにおすすめの車種
キッチンカーでお酒のみを販売する場合は、軽トラックでも対応可能です。
立ち飲みはもちろん、折り畳みの机と椅子を用意すれば、座ってゆっくり楽しんでもらえます。
一方、お酒以外にフードメニューも充実させたい場合は1.5tトラックがおすすめです。
作りたい料理に合わせた設備や器具、場合によってはビールサーバーでスペースを圧迫する可能性があるため、ゆとりを持ったサイズを選びましょう。
キッチンカーでお酒を販売するメリット
キッチンカーでお酒を販売するメリットを5つ紹介します。
換気性が優れている
キッチンカーでのアルコール販売は屋外のため、換気性が優れている点がメリットです。
店舗型のバーは、落ち着いた隠れ家的な雰囲気が演出しやすい地下や狭い物件で営業するお店が多いですが、新型コロナウイルスの影響や感染症対策を考えると、不安に感じる人も多いでしょう。
しかし、キッチンカーなら極めて風通しがよい環境で、お客様にお酒を提供できます。
さまざまな場所で感染症対策が強いられる中、キッチンカーの優れた換気性は大きなメリットといえるでしょう。
季節感を楽しむことができる
移動販売するバーなら、四季折々の景色を見ながらお酒を楽しめます。
外の空気を吸いながらおいしいお酒を飲むことで得られる解放感は、店舗型のバーや居酒屋のような場所では体験できません。
特に、「春は桜」「秋は紅葉」といった季節を感じながら楽しむお酒は、お客様にとっても特別な思い出になるでしょう。
原価が安く手間がかからない
お酒は原価が安く提供の手間もかからないため、極めて利益率が高いメニューです。
仮に、4Lで2,000円前後の焼酎60ccと、2Lで100円のウーロン茶200ccでウーロンハイを作った場合、原価は約40円が想定されます。
ウーロンハイを作る作業も、グラスに氷を入れて焼酎とウーロン茶を混ぜるだけなので手間がかかりません。
調理工程が多い料理を提供する場合、提供するまでに時間がかかりますが、お酒ならすぐに提供できるでしょう。
原価が安く提供の手間もかからないため、人が集まる場所であれば短時間で大きな売上につなげられるのです。
店舗型と比べてコストが安い
キッチンカーの営業にはコスト面でのメリットもあります。
店舗型のバーを開業する場合、店舗の内装などの大きな初期投資の他にも、家賃などの固定費が毎月必要です。
しかし、キッチンカーのバーなら、初期投資は主にキッチンカーの準備のみで、固定費は駐車場代とガソリン代程度の出費で抑えられます。
固定費を抑えられるのも、キッチンカーでバーを開業するメリットといえるでしょう。
客単価をアップできる
既にフード系のメニューを販売しているキッチンカーであれば、お酒を取り入れることで客単価の向上が見込めるでしょう。
お酒を販売するとターゲット層の拡大が見込めるため、今までとは違ったシーンで活躍できるかもしません。
なかでもクラフトビールは粗利が高く客単価向上が見込みやすいドリンクです。
ビールは大手メーカーが大量生産しリーズナブルなのに比べ、クラフトビールは小さな醸造所が作っており比較的高い価格で販売が可能です。
キッチンカーでお酒を販売するデメリット
キッチンカーでのアルコール販売には、メリットだけでなくデメリットもあります。
天候に影響される
販売する商品にかかわらず、キッチンカーは天候の影響を直接的に受けます。
夏は蒸し暑く、虫が寄ってくるほか、雨や雪の日は屋外に出ることが面倒になってしまう人もいるでしょう。
特に、お酒を販売する場合、未開栓の状態では販売ができないため、その場で飲むことが難しい雨や雪の日はテイクアウトの需要が落ちます。
このような天候の影響は、キッチンカーでのバー営業に必ず付きものです。
そのため、天気予報をこまめに確認し、売上の増減を十分想定したうえで必要な対策を講じましょう。
販売できる条件が厳しい
キッチンカーでお酒を販売するには、さまざまな条件をクリアしなくてはなりません。
必須の資格や許可だけでも飲食店営業許可や食品衛生責任者の資格があり、時間帯によっては深夜酒類提供飲食店営業の許可も必要です。
そのうえ、どこに出店するとしても出店場所の所有者や責任者から許可がいります。
さらに、お酒を販売することでトラブルや騒音を招く可能性があるため、出店場所周辺の環境を考慮し、場所によってはお酒の販売を禁止しているところもあります。
たとえ人が集まる場所だとしても、近くが住宅街や学校施設周辺などであれば、販売は厳しいでしょう。
移動販売のバーで成功するポイントとは?
移動販売のバーで成功するポイントを3つ紹介します。
季節に応じたメニューを提供する
季節感を楽しめるキッチンカーのメリットを活かして、季節に応じたメニューを作りましょう。
寒い冬には熱燗やホットワイン、夏には爽快感のあるカクテルやハイボールなど、季節に応じたメニューを提供することで、季節を感じながら外でお酒を飲む特別感を演出できます。
定番メニューに加えて季節限定メニューを作ることは、お客様を飽きさせない工夫にもなり、リピーターを増やすための大切なポイントです。
裏メニューを作る
裏メニューを作ることもポイントです。
裏メニューは「特別感」があるため、リピーターや常連客に喜んでもらいやすいうえに話題性もあり、SNSなどで拡散される可能性もあります。
SNSなどで拡散されると宣伝効果も期待でき、新規のお客様にも足を運んでもらいやすくなるでしょう。
オリジナルのカクテルやおつまみなど、独自性のある裏メニューを考えて提供してみてください。
コンセプトを定める
キッチンカーのバーを成功させるには、主軸になるコンセプトも重要です。
たとえば、メインになる商品がお酒か料理かによって、必要な設備やターゲット層、出店場所も変わるでしょう。
開業後に「やっぱりメインを料理にしたい」などとコンセプトを変更する場合は、車両の設備を追加したり、場合によっては許可を取り直したりする必要があります。
後悔しないためにも、開業前にしっかりとリサーチし、お店のコンセプトを確定しましょう。
キッチンカーでお酒を販売している人気のお店
最後にキッチンカーでお酒を販売している人気のお店をご紹介します。
ぜひ、あなたのお店作りの参考にしてください。
旅するビアトラック
「旅するビアトラック」は、大阪府・兵庫県を中心に出店するキッチンカーで、MYキッチンカーにて車両製作をさせていただきました!
チェコの専用サーバーを搭載したビアトラックで、本場のピルスナービールが楽しめます。
フードメニューには自家製チャーシューや手作りソーセージ、どて煮など、ビールと合わせたいものがずらり。
Instagramで出店情報を発信しているため、気になる方はフォローしてみましょう!
肉山
「肉山」は東京都吉祥寺を中心に、肉弁当やアルコールの移動販売を行なっています。
吉祥寺に店を構えており、なかなか予約が取れないと言われている赤身肉の名店「肉山」が2019年9月から始めたキッチンカーです。
泡が極上の生ビールを提供するほか、ビールと相性抜群のお肉の惣菜が充実しています。
カンパイSAKE LOVERS
「カンパイSAKE LOVERS」は、東京都新宿区を中心に移動販売をする、日本酒専門のキッチンカーです。
日本酒と相性のよいおつまみを提供しており、立ち飲みカウンターとタープテントの半屋外で楽しめます。
各種SNSで情報発信しているため、気になる方はチェックしてみましょう!
キッチンカーでお酒を販売したいならMYキッチンカーへご相談ください
ビールなどのアルコール(お酒)販売のキッチンカーを始めたい方は、MYキッチンカーにお任せください。
MYキッチンカーならお客様のご希望をヒアリングし、最適なキッチンカーをご提案いたします!
専門設計士による使いやすいキッチンカー製作のほか、レンタルやリースなど幅広くサポート対応しております。
出店サポートから出店後のメンテナンスまで、トータルでサポートいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
ビールキッチンカーの製作実績
先ほどご紹介した「旅するビアトラック」様はMYキッチンカーにて車両製作させていただきました!
バーテンダーの小林さんのこだわりが詰まったキッチンカーについて、過去に取材させていただいたのでご覧ください。
MYキッチンカーでは過去の製作事例をもとに最善のプランをご提案いたします。
お酒販売のキッチンカーをご検討中の方はぜひ一度ご相談ください!
\個別コンサル実施中!/
まとめ
キッチンカーでアルコールを販売する際のポイントは下記の通りです。
- アルコールを開栓した状態なら販売できる
- 移動販売に必要な資格・許可は「食品衛生責任者」と「飲食店営業」
- 深夜0時以降のアルコール提供には「深夜酒類提供飲食店営業届」が必要
- 料理も充実させたいなら1.5tトラックがおすすめ
- 裏メニューや季節限定メニューで「特別感」を提供することが成功のポイント
キッチンカーのバーなら風通しがよい環境で、四季折々の景色を感じながらお酒を楽しんでもらえます。
新型コロナウイルスの影響や感染症対策を考えると、キッチンカーの風通しのよい環境は大きなメリットでしょう。
この記事を参考に、あなたのこだわりが詰まったキッチンカーのバーを開業してください。