カレーは幅広い世代に人気であり、キッチンカーとも相性がよいことから、移動販売を始めたい方におすすめのメニューです。
とはいえ定番のメニューだからこそ、成功させるにはポイントを踏まえて開業の準備を進める必要があります。
この記事では、カレーキッチンカーを開業する前に知っておくべきことを解説します。
- 開業するメリット・デメリット
- カレーキッチンカーを成功させる秘訣
- 開業までの流れや必要な設備・車両
カレーキッチンカーの開業を検討している方は、ぜひ参考にください。
キッチンカーでカレー屋を営業するメリット
キッチンカーで開業するなら、カレーがおすすめです。
まずは、カレー屋を開業するメリットをご紹介します。
カレーは「国民食」
カレーは老若男女問わず好かれるメニューで、もはや日本の「国民食」と言っても過言ではないでしょう。
カレーの歴史は古く、日本人が初めてカレーに出会ったのは幕末の頃とされています。
その後、明治38年頃に初の国産カレー粉が発売され、戦後の高度経済成長期にカレールーが誕生すると瞬く間に幅広い年代に浸透し、日本の食文化に根付きました。
カレーはいつの時代も幅広い世代に好かれていたからこそ、生活様式や流行に合わせて進化し続け、現在も当たり前のように日々のメニューに選ばれる国民食になったと言えます。
ジャンルが多く差別化しやすい
カレーはジャンルが多く、他のキッチンカーと差別化しやすいのもメリットです。
ナンと一緒に食べてもおいしいインドカレーや、ココナッツの香り高いタイカレー、話題のスパイカレーやスープカレーなど、「カレー」といってもジャンルはさまざまです。
ライバルが少ないカレーのジャンルで勝負するもよし、得意なカレーのジャンルで勝負するのもよいでしょう。
いずれにせよ、他のキッチンカーと差別化することが成功のポイントです。
スピーディーに提供できる
カレーは仕込みの時点でほぼ作り上げるので、キッチンカーでの作業が少なく、スピーディーな提供が可能です。
スピーディーに提供できると回転率が上がり、カレーの単価が安くても結果として売上アップにつながりやすいと言えます。
たとえば、短時間で多くのお客様が訪れるランチタイムなどは、回転率のよさが武器になります。
トレイにご飯を盛ってルーを入れるだけで提供できるカレーなら、オフィス街のランチタイムなどでも重宝されるでしょう。
設備投資が少ない
キッチンカーでカレー屋を始めるメリットには、設備投資が少ないことも挙げられます。
キッチンカーの基本的な設備の他に必要なものは、以下の通りです。
- 炊飯器
- カレーを温めるコンロ
- その他(鍋や提供用のトレイ、おしぼりなど)
特別な機器がなくても、最低限の設備で営業を始められるため、設備投資を抑えたい方にもおすすめです。
キッチンカーでカレー屋を営業するデメリット
キッチンカーでカレー屋を営業するには、メリットだけでなくデメリットもあります。
仕込みに手間がかかる
キッチンカーでカレー屋を営業するデメリットの1つは、仕込みに手間がかかることです。
メニューにもよりますが、具材の下処理やスープストック作り、火加減を調整しながらの加熱など、カレー作りは仕込みに手間がかかります。
もしカレーの種類やトッピングを増やすなら、さらに仕込みも増えるでしょう。
ランチ需要に限定されやすい
カレーはランチ需要に限定されやすい点もデメリットの1つです。
なぜなら、カレーはしっかりご飯を食べるメニューなので、お酒を飲んだり軽めの食事にしたりする夜間には不向きだからです。
さらに「キッチンカーが集うイベントに出店したい!」という方もいるかもしれませんが、フードイベントの醍醐味は「いろいろなメニューを楽しむ」ことでもあります。
1食でお腹いっぱいになるカレーは、イベントや食べ歩きなどでは不利になるでしょう。
成功するにはカレーのレシピがカギ!オリジナリティを追求
定番のメニューであるカレー屋を成功させるには、他店と差別化した唯一無二のメニューを提供することが重要です。
カレーにはさまざまな種類が存在するため、レシピを探究してオリジナリティのあるカレーで勝負しましょう。
たとえば、ヘルシー路線の低糖質カレーや低脂質カレー、女子ウケを狙った薬膳カレーなど、スパイスの調合でアレンジは無限に広がります。
以下では、代表的なカレーの種類を4つ紹介するので、レシピ探求の参考にしてください。
インドカレー
日本でも人気のバターチキンカレーやキーマカレーは、インドカレーの1種です。
とろみのあるルーが特徴で、さまざまな種類のスパイスを使用します。
タイカレー
タイカレーは、ココナッツミルクのまろやかな甘味とナムプラーの香りが特徴です。
唐辛子の他にも、レモングラスやパクチーなどのハーブとスパイスが使われます。
スパイスカレー
大阪を中心に人気が高まっているのが、スパイスカレーです。
ベースの出汁は、カツオやチキンなど、お店独自のアレンジが施されています。
欧風カレー
欧風カレーは、日本で生まれた西洋風のソースがベースのカレーです。
根菜や乳製品をたっぷり加えるため、マイルドな味に仕上がります。
トッピングやサイドメニューにも工夫を
カレーは食事メニューであることがデメリットだと紹介しましたが、デメリットを逆手に取り、トッピングを充実させることで多様なメニュー提案ができるでしょう。
トッピングが充実していると飽きられにくいため、リピート率のアップにもつながります。
また、サイドメニューは単品でも買えるのがポイントです。
小腹を満たすスナック感覚で買ってもらいやすく、ランチタイム以外のイベントなどでも喜ばれます。
メニューの参考に!全国で人気のカレーキッチンカー
ここでは、全国で人気のカレーキッチンカーをご紹介します。
ぜひ、メニューの参考にしてください。
味杏食堂
味杏食堂は、カレー専門店「カレーダイニングアジアン」が運営しており、滋賀県を中心に出店しているキッチンカーです。
自らが育て収穫した近江米を使用したり、信頼できる農家さんから野菜を仕入れたりなど、材料にもこだわり、安心安全のカレーを提供しています。
2種類のカレーをブレンドしたオリジナルカレーのほか、熟成カレーや焼きカレーなど複数のカレーを提供しているので、気分に合わせて楽しめるのが魅力です。
※味杏食堂の車両は、MYキッチンカーにて製作いたしました。
マルチスパイス
マルチスパイスは、16種類のスパイスを手作業で挽いたこだわりのスパイスカレーを提供するキッチンカーです。
本場インドの味は残しながら、日本人でも食べやすい味を追求しています。
キッチン・ハル
キッチンハル号は、元料理人のキッチンカー九州Lab代表が考案したカレーレシピで、さまざまなイベントへ出店しています。
キッチンカーだけでなく、オンラインショップ限定のレトルトカレーも大人気です。
columbia8
2018年のミシュランガイド京都・大阪版で、初めて「カレー」というカテゴリーで掲載されたのがcolumbia8です。
コロナ禍をきっかけに始めたキッチンカーも注目されています。
楽らくキッチンカー スパイスカレー&コーヒー
楽らくキッチンカー スパイスカレー&コーヒーは、その名の通りこだわりのスパイスカレーと本格的なエスプレッソを、おしゃれなキッチンカーで移動販売しています。
カリガリカレーキッチンカー
カレー店515店舗から1位に選ばれた、カリガリカレーのキッチンカーです。
キッチンカーでは神田カレーグランプリ2019優勝のカレーを販売しているほか、2022年にはレモンライス東京とのコラボ店舗も展開しています。
キッチンカーでカレー店を営業した際の収益イメージ
キッチンカーでカレー店の開業を目指すなら、収益も気になるところではないでしょうか。
一般的にキッチンカーの平均収入は、約400〜800万円程と言われています。
年収に幅があるのは、キッチンカーは売上に差が出やすいからです。
売上の多いキッチンカーを除いた年収の平均は約400~500万円と言われており、月収にすると約30~40万円でしょう。
利益
年収が約400万円とすると、必要経費を除いた利益は約200~230万円です。
個人事業主としてキッチンカーを営業する場合、利益から市府民税や健康保険料などを支払うことになる点にも注意しましょう。
経費
キッチンカーで営業を続けるためには、下記の経費が必要です。
- ガソリン
- 食材
- トレイなどの備品
- 駐車場
- 自動車保険
- 出店料
- PL保険代
キッチンカーでカレー屋を開業するための準備
いざキッチンカーでカレー屋を開業しようと思っても「何から始めたらよいのかわからない」という人のために、開業までの流れと必要な資格などをお伝えします。
開業までの流れ
キッチンカーでカレー屋を始めるまでの流れは、以下の通りです。
- コンセプトや戦略を考え必要コスト・予算を算出
- 開業資金を用意
- 必要な資格・設備・手続き
- 出店場所の確保
- キッチンカーを用意する
- 必要な保険に加入
- 食材の仕入れ
- 広告やSNSで宣伝
キッチンカーの開業準備は以下の記事で詳しくご紹介しています。
開業に必要な資格と許可
キッチンカーでの開業に必要な資格と許可は、主に2つです。
食品衛生責任者
食品を扱う営業をする場合、施設ごとに必ず1名以上の食品衛生責任者を配置する必要があります。
食品衛生責任者の資格は、都道府県の食品衛生協会が開催している「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで、取得可能です。
飲食店営業
以前はキッチンカーで取り扱うメニューによって営業許可の種類が異なりましたが、2021年6月からすべてのメニューで「飲食店営業」の許可が必要となり、出店する自治体ごとに取得しなければなりません。
さらに、営業許可申請の際には、先ほど紹介した「食品衛生責任者の資格」と「移動販売で使用する車の申請」が必要です。
また、カレーの具材を切るなどの「仕込み行為」について、自宅での作業を考えている人もいるかもしれませんが、ほとんどの保健所は自宅での仕込みを許可していません。
車内での仕込み行為も都道府県によって基準が異なる可能性があるため、事前に出店地域に確認しておきましょう。
キッチンカー開業に必要な資格や営業許可については、以下の記事をご覧ください。
キッチンカーでカレー屋を開業するための車両準備
キッチンカーの中の設備まで、しっかりと見たことがある人は少ないでしょう。
ここからは、キッチンカーでカレーを販売するために必要な車両準備をお伝えします。
カレー屋ならではの設備
2021年6月の食品衛生法改正によって、キッチンカーの設備基準は全国で統一されました。
キッチンカーに必要な基本設備は、以下の通りです。
- シンク
- 給排水タンク
- 照明
- 換気扇
- 扉付き収納スペース
- 冷蔵設備
- 蓋付きゴミ箱
- 電源装置
カレー屋を開業する際には、これらの他に炊飯器やカレーを温めるコンロも必要です。
車両のチョイスやデザインにも工夫を!
キッチンカーには大・中・小とサイズがありますが、カレーの種類を増やしたりナンを焼いたりするのであれば、大きい車両がおすすめです。
そして、道行く人の足を止められるような、おしゃれで注目されやすい車両のデザインにしましょう。
赤や茶色など、カレーに合わせた色や素材を取り入れるとおしゃれ感が増します。
カレーキッチンカーの製作や開業はMYキッチンカーにお任せ
カレーキッチンカーを成功させるには、唯一無二のメニューを提供するだけでなく、多くの人の目を引くよう車両にもオリジナリティを追求するのが、成功のカギです。
MYキッチンカーでは、過去のカレーキッチンカー製作実績や開業支援など豊富な経験とノウハウをもとに、お客様のご要望に合わせて最適なプランをご提案いたします。
キッチンカーを開業するにあたり「何から始めればよいのかわからない」という方には、無料の個別コンサルも受付中です。
カレーキッチンカーの開業に関する不安や疑問は、ぜひ全国対応のMYキッチンカーまでお気軽にご相談ください。
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まとめ
キッチンカーで営業を始めたい方におすすめしたいのが「カレー」です。
カレーは競争率の高いランチタイムなどでもスピーディーに提供でき、スパイスの調合やジャンルで差別化しやすいのがポイントです。
他のキッチンカーと差別化することで売上もアップします。
ぜひこの記事を参考に、オリジナリティあるカレーを探究してキッチンカーでの成功につなげましょう。