今は移動販売という形で食品を販売する人も増えましたが、中でもドーナツの移動販売は性別や年齢を問わず多くの人に人気があります。
本記事では、移動販売のドーナツ屋を開業したい人に向けて、開業する準備や流れ、初期費用など開業の知識全般を紹介します。
キッチンカーでドーナツ屋を開きたいと考えている人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
移動販売のドーナツ屋を開業する準備・流れ
移動販売のドーナツ屋を開業する際の5ステップを紹介します。
1.保健所に相談・確認する
ドーナツに限らず食品を扱うキッチンカーは、保健所の営業許可を得るための条件に合わせて設備を設置する必要があります。
条件は地域によって異なるため、最初に保健所へ確認しましょう。
複数地域での販売を考えている場合は、それぞれの地域の保健所から許可を得なくてはいけません。
また、仕入れ場所を準備する場合は、キッチンカーだけでなく仕入れ場所の許可も得る必要があるので、覚えておいてください。
2.キッチンカーを手配する
次に、営業許可を得るための条件を満たすキッチンカーを手配します。
新車を購入するほか、中古車やリース、レンタルなどさまざまな方法で手配が可能です。
いずれの方法にしてもドーナツ屋に必要な設備を設置するには時間がかかるため、なるべく早めに行動しましょう。
3.8ナンバーで車検を受ける
キッチンカーの設備が整ったら、車検の準備をしましょう。
キッチンカー用に設備を設置するなど変更を加えると「改造した」という扱いになるため、再度車検を受けなくてはいけません。
車検も時間を要する場合が多いため、設備の設置が完了したらすぐ車検に出しましょう。
車検が残っていても、改造すると無効になるので注意してください。
4.食品衛生責任者の資格を取る
キッチンカーの設備を設置したり車検に出したりしている期間は、食品衛生責任者の受講を終わらせておきましょう。
6時間の講義を受講してテストに合格すれば、食品衛生責任者の資格を取得できます。
費用は約1万円で、受講希望者が多く1か月先まで予約が埋まっている場合も多いようです。
地域によっては月3回しか開講されないため、早めに予約しておきましょう。
5.保健所の営業許可を得る
車検が済んだキッチンカーは、保健所から営業許可をもらうために検査してもらいましょう。
検査には予約が必要で、複数の地域で販売する場合はそれぞれの保健所で予約しなくてはいけません。
保健所の営業許可を得たら、次は仕込み場所の検査です。
ここまでの検査をクリアできたら、移動販売のドーナツ屋を開業できます。
移動販売×ドーナツ屋の初期費用
キッチンカーでドーナツ屋を開業する場合、初期費用は約350~500万円です。
一方で、店舗を構える場合は約500~1,000万円かかります。
キッチンカーが安く抑えられる理由は、物件取得費や内装工事費、棚・備品購入費などが抑えられるためです。
個人経営のドーナツ屋って儲かるの?
ドーナツ屋の平均年収
個人経営のドーナツ屋の平均年収は簡単に計算して、約360万円と考えられます。
販売するのは定価150円のドーナツで、以下の費用がかかると仮定します。
- 原価率…30%
- キッチンカーの維持費…20%
- 経費(交通費・梱包材費・水道光熱費・通信費・販促費)…10%
合計60%の経費に対して150円のドーナツの純利益は、150円×40%で60円です。
このドーナツを1日に200個販売したとして、1日の純利益は60円×200個で12,000円となります。
1か月のうち25日営業すると月収は30万円になるので、年収は30万円×12か月で360万円と計算できます。
あくまでも簡単な計算のため、参考程度に考えてください。
売上を上げるためのコツ
ドーナツの単価は安いものの、客層が幅広いうえ売上も季節に左右されにくい特性があります。
売上を上げるにはこの特性を活かした工夫が必要です。
トッピングやアレンジで楽しめるようにする
トッピングをしたドーナツは、プレーンドーナツよりも利益率を高くできます。
トッピングの具材や生地、調理方法を変えれば100種類以上のアレンジも可能です。
チョコレートの種類やナッツ、フルーツなどの具材からおいしい組み合わせを考案しましょう。
日替わりや週替わりのメニューとして提供して、お客さんを飽きさせないような工夫が大切です。
ドリンクを販売する
ドリンクの原価率は約25%のため、ドーナツと一緒にドリンクも購入してもらえばさらに利益率が高くなります。
ドーナツと一緒に買うとお得になる「ドリンクセット」を用意してみるのもおすすめです。
おしゃれな梱包を採用する
ドーナツの包み紙やボックスなど梱包のデザインにこだわれば、手土産として購入してもらえる可能性があります。
おしゃれで可愛いパッケージならSNSに取り上げてもらえる可能性も高まり、若い女性を中心に宣伝効果も見込めるでしょう。
ドーナツの移動販売におすすめのキッチンカー
以下では、ドーナツの移動販売におすすめなキッチンカーのタイプと必要な設備を紹介します。
軽トラックタイプ
運転のしやすさで選ぶなら、軽トラックタイプのキッチンカーがおすすめです。
移動がスムーズでランニングコストも安く、経費を抑えられます。
また、車体がコンパクトなので狭いスペースへの出店も可能です。
1tタイプ
複数人で作業をしたい人には、1tタイプのキッチンカーがおすすめです。
1tタイプは2~3人で作業できるほど広々としていますが、普通自動車免許で運転できます。
また、普通車が駐車できるほどのスペースで出店可能です。
1.5tタイプ
複数のメニューを調理する場合は、1.5tタイプのキッチンカーが人気です。
一度に複数の料理を調理できるため、提供できるメニューの幅も広がり大きな売上が見込めるでしょう。
また、圧倒的な存在感で、周囲のキッチンカーよりも目立ちやすいというメリットがあります。
ドーナツ屋に必要な設備
ドーナツ屋に必要な設備は、次の4つです。
- ドーナツメーカー
- ガス式フライヤー
- ショーケース
- 冷蔵庫・冷凍庫
移動販売のドーナツ屋で売れそうなメニュー
移動販売のドーナツ屋では、性別や年齢を問わず人気のあるメニューを展開する必要があります。
ドーナツ屋で売れそうなおすすめメニューは、以下を参考にしてみてください。
- オールドファッション
- フレンチクルーラー
- グルテンフリードーナツ
- チョコレートやシナモンパウダーがかかったもの
- 季節ごとの期間限定ドーナツ(イースター・クリスマス・バレンタインなど)
ドーナツは生地に使用する粉や油を変えるだけで、食感や味が全く違います。
トッピングにフルーツや生クリーム、ナッツを使ったり、焼きドーナツや生ドーナツなど展開させたりして、常にお客様が喜ぶよう工夫してみましょう。
揚げたても!移動販売のドーナツ屋5選
ここからは、今人気の移動販売のドーナツ屋5選を紹介します。
今話題の人気店ばかりなので、参考にしてみてください。
ICHIGO DOUGHNUT
愛知県の東海市を中心に展開する移動販売のドーナツ屋さんです。
北海道産の有機小麦粉を使用した手作りドーナツを販売しています。
メニューはストロベリーベースのものが多く、子連れに嬉しいキッズメニューも用意されています。
Blue Eagle cafe
「奈良の木材と食材の地産地消」をテーマとしたカフェです。
名物のマラサダドーナツは吉野MICA卵・北海道てん菜糖・国産こめ油を使用し、その場で手揚げしています。
ハワイの老舗ブランド「ライオンコーヒー」の取り扱いもあり、ハワイの雰囲気を楽しめるキッチンカーです。
フロレスタカーロ
岡山県備前市を中心に展開している移動販売のドーナツ屋です。
使用済みのドーナツ廃油を再利用して作られており、環境への取り組みにも熱心なお店です。
素朴な甘さとしっかりとした噛み応えが特徴のドーナツを、毎日真心込めて手作りしています。
はらのドーナッツカー
はらドーナッツは、美味しくてヘルシーな豆乳とおからで有名なドーナツ屋さんで、東京都・千葉県・埼玉県を中心に移動販売も行なっています。
「美味しく、安心して食べていただける」 というコンセプトをもとに、防腐剤や保存料は一切使用されていません。
メインメニューのはらドーナッツはもちろん、野菜を使ったものや期間限定で楽しめる味など商品展開が豊富です。
ミスタードーナツ移動販売車
近隣にミスタードーナツの店舗がない地域を訪問する、ミスタードーナツの移動販売車です。
普段ミスタードーナツの商品を買う機会が少ない人々に向けて、ポン・デ・リングなどの定番商品や期間限定商品を届けています。
移動販売車の製作・開業支援はMYキッチンカーまで!
ドーナツ屋仕様の移動販売車をお探しなら、MYキッチンカーにお任せください!
専属の設計士がお客様のご要望や数々の成功事例をもとに、オリジナルのキッチンカーを設計いたします。
また、オリジナル車両の製作だけでなく、お得なパック料金でのご購入やレンタル、リースなど幅広く対応可能です。
MYキッチンカーなら開業支援からアフターサポートまでトータルでサポートいたしますので、ドーナツの移動販売に挑戦したい方はぜひお気軽にご相談ください!
まとめ
本記事では移動販売のドーナツ屋を開業したい人に向けて、開業方法や初期費用、おすすめのキッチンカーを解説しました。
キッチンカーでドーナツを販売する際は、保健所の営業許可を得る必要があるので、事前に保健所へ確認・相談したうえで手続きを進めてみてください。
また、今人気の移動販売のドーナツ屋さんも参考にすれば、自分のお店で売りたいドーナツをイメージしやすいでしょう。
移動販売は場所や時間にとらわれずさまざまな地域で販売できるので、興味がある人はぜひ本記事を参考に挑戦してみてください。