フランチャイズでキッチンカーを開業すると、ノウハウを学べるなどのメリットがあり初心者でも安心ですが、費用がかかるなどのデメリットもあるため、よく考えることが必要です。
どんな仕組みでどこまでサポートしてくれるのか、サポート内容と金額が見合っているかなどを慎重に確認・検討して、加盟するかどうかを判断しましょう。
そこで今回は、フランチャイズでキッチンカーを開業するうえでのメリットやデメリット、費用や手順などを解説していきます。
フランチャイズのメリットとデメリットを理解しよう
キッチンカー開業をする準備期間が十分に確保できない、何から準備してよいのかわからないという方は、フランチャイズに加盟する選択肢があります。
まずはフランチャイズに加盟する前に、メリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット
・研修でノウハウを取得できる
フランチャイズの大きなメリットは、研修でノウハウを取得できることです。
開業に必要な手順をサポートしてくれるため、何から準備したらよいのかわからないという方にはピッタリです。
研修では、販売するメニューの調理方法やレシピを学ぶことができます。
未経験の方でも、キッチンカー開業に必要なノウハウを取得することができるのです。
・開業のサポートを受けられる
また、キッチンカーで営業するためには出店場所を探さなければなりません。
出店場所を探すのは手間がかかるうえ、出店したい場所が見つかっても、許可が出なければ営業ができません。
フランチャイズであれば、出店場所を紹介してくれたり、集客をサポートしてくれたりします。
キッチンカーの外装や内装のアドバイスもしてくれるため、デザインに自信がない方でも街中で注目を集めるおしゃれなキッチンカーを作ることが可能です。
・経験者によるアドバイスが受けられる
さらに、開業後のサポートを受けることも可能です。
営業場所の選び方や売れるメニューの傾向など、経験者からのアドバイスを受けられます。
また、収支シミュレーションなどをしっかりとレクチャーしてくれる本部もあり、開業後の経営が心配な方も安心です。
このように、フランチャイズに加盟すると、開業前の準備から開業後のサポートまでしてくれるうえ、同じ業界の経営者仲間もできるのが大きなメリットと言えます。
デメリット
フランチャイズのデメリットは、費用がかかることと自由度が制限されることです。
加盟すると開業前のサポートを受けられますが、もちろん無料ではありません。
研修費や会費などを支払う必要があるため、自分で開業するよりも初期費用がかかってしまいます。
・ロイヤリティや月額会費が必要な場合も
開業後もロイヤリティや月額会費が必要な本部もあります。
ロイヤリティとは、本部が所有している商標やノウハウ、システムを利用する対価として毎月支払う使用料です。
ロイヤリティがかからないところもあれば、月額30,000円や売上の6%などと決められているところもあります。
このようにロイヤリティは契約によって異なるため、あまりにロイヤリティが高過ぎる場合はデメリットと言えるでしょう。
・自由に営業できない可能性も
キッチンカーの設備や出店場所、仕入れ先、メニューなど営業に関わる事項を本部が指定していることがあります。
研修費や会費、ロイヤリティを支払えば好きに営業してよいわけではありません。
自分で開業しているのであれば、オリジナルメニューを作成したり、不要な固定費を削除したりなど、自由に判断できますね。
その一方でフランチャイズの場合は、柔軟に対応したいことも、本部の承認が下りないため断念せざるを得ないケースが出てくる可能性もあります。
フランチャイズに加盟して開業する費用
フランチャイズに加盟する際には、さまざまな費用がかかってきます。
費用の種類と金額の目安について解説していきます。
開業資金(初期費用)
開業する際に必要な資金、つまり初期費用の目安は200~400万円です。
その内訳には、車両購入、改造費、資格取得費、研修費、加盟金などが挙げられます。
店舗固定型の飲食店では家賃や家賃保証金などがかかってしまうため、フランチャイズでのキッチンカー開業の方が開業資金を安く抑えられます。
運転資金
開業した後に継続的にかかる運転資金の目安は、たとえば売上80万円ほどの場合は月50~80万円程度です。
運転資金の内訳は、ロイヤリティ、原材料、光熱費、梱包資材費、駐車場代、営業場所の賃料などが挙げられます。
ロイヤリティは月額制、売上の数%、0円など契約によって異なります。
運転資金が高くなると売上が減ってしまうので、いかに運転資金を抑え利益を増やしていくかが経営維持のポイントです。
フランチャイズ本部を選ぶポイント
どのフランチャイズ本部を選べばよいのか、迷ってしまうかもしれません。
フランチャイズ本部を選ぶ際のポイントを解説していきます。
①開業経験者によるフランチャイズを選ぶ
まずは開業経験者によるフランチャイズなのか確認しましょう。
開業経験者によるフランチャイズであれば、経験を活かしたアドバイス・教育が期待できます。
フランチャイズで上手く営業していくコツなども聞ける可能性があるので、 開業経験者によるフランチャイズを選びましょう。
➁仕入れ先や販売メニューに縛りがない
仕入れ先や販売するメニューに縛りがないか確認しましょう。
独自の屋号やオリジナルメニューの販売が可能であれば、他のお店との差別化を図ることができます。
また、仕入れ先を自由に決めることができれば、より安い仕入れルートを開拓して運転資金を削ることが可能です。
自分の知恵や工夫・コネクション次第で利益を大きくすることが可能な、自由度の高いフランチャイズ本部を選びましょう。
③契約期間があるか
フランチャイズの契約期間もしっかりと確認しましょう。
2~5年で契約更新するフランチャイズが一般的です。
キッチンカー開業を始めてみたけれどうまくいかず、店を閉めたい場合でも、契約が続いていると勝手に店を閉めることはできません。
また、キッチンカー開業を通じて自信がつき、新規事業を立ち上げるためにフランチャイズを脱退したい場合でも、契約期間中であれば違約金がかかる可能性があります。
自分の将来設計を考えて、契約期間が自分に合っているフランチャイズ本部を選びましょう。
④サポートが手厚いか
フランチャイズに加盟するにあたって、サポートの手厚さも確認しましょう。
サポートの手厚さは、フランチャイズに加盟するうえで一番のメリットとなる部分なので、しっかりと確認する必要があります。
費用だけで検討せずに、仕入れ先や出店場所のサポートがどれくらい手厚いのか、精査しましょう。
サイト上では都合の良い情報ばかり掲載している可能性もあります。
どのような仕組みでどこまで対応してくれるのかを、他のフランチャイズ本部と比較しながら検討しましょう。
フランチャイズによる開業の手順
いざフランチャイズに加盟しようと思ったときに、どのような手順で加盟までたどり着けるのか気になる方もいることでしょう。
フランチャイズ加盟から営業開始までの手順を解説していきます。
①加盟店本部に問い合わせ
まずは、フランチャイズ本部に問い合わせを行いましょう。
フランチャイズでの開業を検討していることを伝えれば、資料が送付されてきます。
その資料を読み込んで、フランチャイズに加盟するのか検討していきましょう。
➁相談・契約
次は、資料を読み込んだときに気になった点を相談してみましょう。
自分の将来設計を伝えながら、自分に合っているのか相談するのもおすすめです。
この時点でしっかりと疑問点を解消し、納得できる内容であれば、フランチャイズの契約を結びましょう。
③各種許可取得のサポート
飲食店を開業するためには、保健所の営業許可と食品衛生責任者の資格を取得する必要があります。
まずは、食品衛生責任者の資格を取得しましょう。
食品衛生責任者養成講習会を受講することで、資格の取得は1日で完了します。
講習会の受講修了証が資格の証明書になるため、これを持って保健所への営業許可申請を行います。
フランチャイズでは、講習会の日程や保健所への申請もサポートしてくれるので安心です。
④キッチンカーや設備製作のサポート
保健所への申請が終わったら、キッチンカーや設備を製作します。
販売メニューに合わせた設備や保健所の規定に沿った設備を準備しなければなりません。
法的な知識がなくても、フランチャイズ本部がサポートしてくれるので、安心して製作していきましょう。
⑤研修
研修では、商品の作り方をレクチャーしてくれます。
本部と変わらない味を安定して作れるように、サポートしてくれるのです。
また、研修では食品の作り方だけでなく運営方法もレクチャーしてくれるため、しっかりと身につけましょう。
⑥開業開始
研修が終わると、開業して商売ができるようになります。
実際に開業してみると、研修では想定していなかった問題も出てくることでしょう。
そんなときには、フランチャイズ本部のサポートを受けることで問題が解決できる可能性があります。
開業後のサポートもくれる点は、フランチャイズのよい点と言えるでしょう。
【クレープやカフェなど】おすすめフランチャイズ5選
キッチンカー開業といっても、取り扱う商品はさまざまです。
街中で、クレープやカフェなどのキッチンカーを見かけたことがある方もいるでしょう。
ここからは、クレープやカフェなどの代表的なものから意外なものまで、フランチャイズ開業におすすめの商品を5つご紹介します。
クレープ
クレープはキッチンカー開業の定番商品です。
クレープを取り扱ったフランチャイズは複数あるため、条件が良いところを選ぶとよいでしょう。
数あるクレープキッチンカーのフランチャイズの中でも、人気のあるカラーカフェの費用は以下の通りです。
加盟金 | 0円 |
研修費 | 0円 |
開業セット(車両購入費を含む) | 軽バンタイプ:210万円~ 軽BOXタイプ:290万円~ |
ロイヤリティ | 0% |
仕入れサポートの有無 | 有 |
営業場所サポートの有無 | 有 |
注目すべきは、加盟金とロイヤリティが0円というところです。
初期費用は、車両購入費のほかロゴ制作費や看板の準備、研修費、広告宣伝などがセットになった開業プランのみ。
あまりお金をかけずにキッチンカー開業をしたい方には、クレープがおすすめです。
ピザ
最近では、店舗でしか食べられないような本格ピザをキッチンカーでも味わうことができます。
珍しさから、イベントや展示会で人気のある商品です。
ピザを取り扱っているフランチャイズはSFIDAが有名で、費用は以下の通りです。
加盟金 | 0円 |
研修費 | 30万円 |
車両購入費 | 300万円 |
ロイヤリティ | 0円 |
仕入れサポートの有無 | 有 |
営業場所サポートの有無 | 有 |
SFIDAも加盟金とロイヤリティが0円です。
ロイヤリティが0円のため運転資金を抑えられますが、ピザを焼くには石窯が必要なため、クレープと比較すると車両購入費が少し高くなってしまいます。
しかし、珍しさから他の商品を扱っているキッチンカーとは差別化ができるため、初期費用の回収も問題ないでしょう。
カフェ
カフェのキッチンカーも、本格的なコーヒーやスイーツを楽しめるため、オフィス街を中心に人気です。
その中でも人気のあるEZY-STYLEの費用は以下の通りです。
加盟金 | 20万円 |
研修費 | 12~35万円 |
車両購入費 | 95万円~ |
ロイヤリティ | 京都・大阪・滋賀・奈良・兵庫(神戸市以東)の方:売上の3% 上記以外の方:0円 |
仕入れサポートの有無 | 有 |
営業場所サポートの有無 | 有 |
EZY-STYLEの特徴は、車両購入費が安い点です。
車両の斡旋はもちろん、自分で購入した車両を持ち込むこともできます。
また、上記の一部地域を除いてロイヤリティも0円であるため、費用を抑えることが可能です。
たこ焼き
屋台でも人気のたこ焼きは、キッチンカーで販売が可能です。
粉物は材料の保存がきいて無駄になりにくいので、キッチンカーとの相性は抜群です。
大きなたこ焼きで人気があり、テレビでも紹介されているばくだん焼き本舗の費用は以下の通りです。
大きなたこ焼きで人気があり、テレビでも紹介されているばくだん焼き本舗の費用は以下の通りになります。
加盟金 | 105万円 |
研修費 | 31,5万円 |
車両購入費 | 105万円 |
ロイヤリティ | 31,500円円 |
仕入れサポートの有無 | 有 |
営業場所サポートの有無 | 有 |
ばくだん焼き本舗は、加盟金や車両購入費がかかるため、他の商品と比較して初期費用が高くなっています。
しかし、ばくだん焼き本舗の特徴はその知名度です。
テレビでも取り上げられたことがあるため、他の商品とは知名度が違います。
初期費用が多少かかっても売上でカバーできることでしょう。
メロンパン
いま一番勢いがあるのが、メロンパンのキッチンカーです。
街中で行列を作っている、メロンパンのキッチンカーを見たことがある方も多いでしょう。
そんなメロンパンの中でも人気がある、焼きたてスイーツ富良野メロンパンの費用は以下の通りです。
加盟金 | 0円 |
研修費 | 50万円 |
車両購入費 | 200万円 |
ロイヤリティ | 33,000円 |
仕入れサポートの有無 | 有 |
営業場所サポートの有無 | 有 |
数あるフランチャイズの中でも、富良野メロンパンは仕組みがしっかりとしています。
富良野メロンパンのフランチャイズで開業している方は多く、1,000店舗以上の実績があります。
開業から経営に至るまでのすべてをカバーするサポート体制が整っているため、未経験でも安心して開業することが可能です。
本当にフランチャイズに加盟するかは要検討
フランチャイズに加盟することで手厚いサポートを受けられるのは、大きなメリットです。
しかし、実際にサポートを受けてみると、自分1人でもできそうな内容だったというケースもあります。
たとえば「集客には自信があるし仕入れルートも確立できているけれど、調理方法がわからないのでフランチャイズを検討している」という方もいることでしょう。
しかし、この場合にはフランチャイズに加盟するのではなく、料理教室で調理方法やレシピを学ぶことで問題が解決します。
以下に記載したような料理教室であれば、低コストで調理方法を学ぶことが可能です。
【ABCクッキングスタジオ】
和洋中に加えてエスニックメニューまで幅広く対応しており、コースが大変充実しています。
少人数制で丁寧に指導してもらえるため、たくさん質問して疑問を解消しておくとよいでしょう。
【ベターホーム】
ベターホームは、自宅でもオンライン受講が可能です。
フランチャイズ契約せずに料理教室で学んだほうが、オリジナルの創作メニューを作ることもできて、お店の自由度が上がります。
何のためにフランチャイズ加盟したいのかを、しっかり整理しましょう。
キッチンカーのノウハウがない状態で開業するよりも、開業方法が確立されているフランチャイズのほうが開業自体は失敗しにくいと言えます。
すべてをフランチャイズ本部に頼るのではなく、自力での準備が難しいことだけを、サポートしてもらうのが効率的です。
そのため、自分でできることとフランチャイズでサポートしてもらいたいことのリスト化をおすすめします。
また、フランチャイズの仕組みをしっかりと確認して、自分に必要かどうかを検討するほか、サポート内容と金額が見合っているのかの判断も必要です。
今一度、自分自身でできることとフランチャイズでのサポート内容の価値を確認して、本当に加盟の必要があるかを、しっかりと検討しましょう。
出店場所も自分で開拓できるように
開業時にサポートしてくれるフランチャイズは、非常に有難い存在と言えます。
しかし、フランチャイズといっても、経営していくのは自分自身です。
サポートに頼りきっていては、大きな問題が発生したときに対処できなくなります。
キッチンカー経営で成功するためには、自分自身で出店場所を開拓していくフロンティア精神が必要です。
フランチャイズ本部から紹介される出店場所は、他の加盟店にも紹介されていることでしょう。
紹介を待っているだけでは、なかなか営業のチャンスは回ってきません。
出店場所を自分で開拓できるようになると、他の加盟店とも差ができるため、長く安定した経営ができるようになるでしょう。
初めはサポートを受けながらの営業であっても、徐々に自分で出店場所を開拓できるようになる必要があります。
そのための交渉術や営業マインドなども身につけていきましょう。
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また車両のご提案だけでなく、各種資格取得や出店場所など開業のサポートから納車後のアフターフォローまで、トータルでサポートします。
すでに調理ができるのであれば、加盟金やロイヤリティを支払うフランチャイズに加盟せず、自分で開業する選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
オリジナリティあふれる自由度の高いキッチンカー開業を目指すなら、ぜひMYキッチンカーにお気軽にご相談ください。
まとめ
サラリーマンとして会社に尽くす生き方もありますが、自分自身で経営していく生き方もあります。
どちらも素晴らしい生き方ですが、経営者として生きていくことになると外からは見えない苦労がたくさんあります。
そんなサポートが欲しい時に、支えになってくれるのがフランチャイズです。
飲食店の開業を考えている方はフランチャイズという選択肢もあると頭の中に入れておきましょう。
自分で開業する手順について知りたい方は、こちらの記事もお読みください。