ここ最近移動スーパーが注目されているのをご存じでしょうか。
超高齢化社会に突入した現在、移動スーパーの需要が高まってきています。
そんな移動スーパーに注目した方に向けて、この記事では移動スーパーの魅力をご紹介します。
移動スーパーの開業を検討されている方は、開業の手順や成功のポイントまで詳しく解説しているのでぜひご覧ください!
全国の人気移動スーパー3選
まずは全国の移動販売をする人気スーパーを紹介します。
成功例から学び、開業のイメージを膨らませましょう。
とくし丸
移動スーパーといえば「とくし丸」と考える人も多いほど、とくし丸は移動スーパーで成功したビジネスモデルといえるでしょう。
とくし丸は、地域スーパーや販売パートナーと連携することで、全国に展開を広げました。
ターゲットのお客様に合わせて商品を厳選するセレクトショップの側面もありながら、食品販売以外に会話や御用聞きの役割も果たし、関係性を築くことを強みとしています。
カスミ
カスミは「お買物を身近に!」をキャッチフレーズに、公民館や公園を定期訪問する移動スーパーを運営しています。
茨城県・千葉県・埼玉県・栃木県など北関東エリアを中心に展開しています。
ホームページに運行予定表が載っているので、気になる方はチェックしてみましょう。
はじ丸
はじ丸は、買い物難民を救済する目的で、「来て、見て、触って、楽しんで。」をコンセプトに展開する移動スーパーです。
販売エリアは三重県の多気町・玉城町・松阪市一部地域と、フランチャイズでは全国展開もしています。
軽トラ1台分の停車場所があれば個人宅や施設へも訪問してくれるため、気軽に利用できます。
【全国に急増中】いま、移動スーパーは注目の的?!
移動販売のスーパーが支持されている理由は3つあります。
超高齢化社会により地方で買い物難民が増加
買い物難民とは、地域の流通機能が低下することにより食料や日用品の購入が困難になる人のことで、まさに移動スーパーにとってメインのターゲット層でもあります。
買い物難民が増加している主な原因は以下の通りです。
- 小売店の廃業
- 商店街の衰退
- 路線バスや鉄道の廃止
- (当事者の)老化による運転技術・意欲の低下
- 単身世帯の増加
農林水産省の調査によると、食料品の買いものに関して、65〜74歳の約20%、75歳以上の約30%が「不便や苦労が(時々)ある」と回答しています。
不便や苦労の内容は、「買い物に行く時間的余裕がない」が最も多く、次いで「店が近くにない」となりました。
特に過疎地域は深刻で、人口減少による小売・流通機能の低下と、住民の高齢化が同時に進行していることが原因です。
また、近年、都市部でも団地などでは高齢化が進んでいるため、もはや地方だけの問題にとどまりません。
移動スーパーが普及することで、食料品アクセスを改善することができ、買い物難民を減らす効果が期待されています。
出典:農林水産省「買い物と食事に関する意識・意向調査(平成30年10月9日公表)」
コロナ禍からの三密回避
移動スーパーは、コロナ禍に注目された業態の一つです。
高齢者は重症化リスクが高いことから、人が集まるスーパーやコンビニを避ける人が増えています。
また、子どもが実家を訪問する機会が減り、親の買いものをサポートしにくくなったという理由もあります。
移動スーパーであれば接触を最低限に減らして買いものができるため、今後さらなる需要が見込まれるでしょう。
地域性に合わせた品揃えと場所選びで利便性がよい
移動スーパーの強みは、地域やお客様に合わせて柔軟に対応できることです。
店舗型のスーパーはターゲット層が広いからこそ、個別のカスタマイズが難しいというデメリットがあります。
その点移動スーパーはターゲット層が狭く限定的なため、地域の特性に沿った商品を扱ったり出店場所を希望に合わせて変えたり、お客様に寄り添ったサービスが提供できるでしょう。
移動販売のスーパーを開業するには?
以下で移動スーパーの具体的な開業手順を見ていきましょう。
大まかな流れから必要な資格、おすすめの車両タイプまで詳しく解説します。
移動スーパー開業の流れ
移動スーパーの開業に必要な手順は以下の通りです。
- コンセプトや戦略を考え必要コスト・予算を算出
- 開業資金を用意
- 必要な資格・設備・手続き
- 出店場所の確保
- キッチンカーを用意する
- 必要な保険に加入
- 食材の仕入れ
- 広告やSNSで宣伝
最初にコンセプトや戦略を固め、必要なコストを把握することが大切です。
失敗のリスクを避けるためにも、入念な計画と十分な資金をベースにして、資格の取得・車両選び・食材の仕入れなどに取り組みましょう。
また、開業についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
移動スーパーに必要な資格
下記で紹介する3つの資格は、いずれも取得難易度は高くありませんが、移動スーパーの開業に必須です。
- 食品衛生責任者
- 営業認可
- 出店場所の許可
飲食物を取り扱う場合、店舗に1人以上の食品衛生責任者を配置することが義務付けられています。
食品衛生協会が実施する講習会に参加すると取得できるので、開業前に受講しましょう。
また、自治体ごとに設置されている保健所からの営業認可も必要です。
ただし、出店できるのは営業認可された地域に限られるため、事前に販売エリアを決めておかなければいけません。
加えて出店場所ごとの許可もいるため、出店場所の候補が決まったら、まず所有者に連絡して出店の交渉をしましょう。
場所の活性化・イメージアップや地域課題の解決など、所有者にとってのメリットを伝えることが大切です。
必要な資格、営業許可の取得方法については、以下の記事をご覧ください。
移動スーパーにおすすめの車両タイプ
次に、移動スーパーに適した車両を紹介します。
小回りが利いて、お客様とのコミュニケーションも図りやすい軽バン・軽トラがおすすめです。
それぞれのメリット・デメリットを下記で比較しているので、出店規模や準備できる資金によって適切なものを選びましょう。
車種 | メリット | デメリット |
軽バン | ・初期費用が安い ・塗装することでデザイン性を高められる | ・車内が狭い ・車高が低い |
軽トラ | ・車内が広い ・複数人で作業できる | ・初期費用が高い |
なお、軽トラックに関しては使い勝手がよく、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
移動スーパーって儲かるの?開業資金と収益モデル
開業手順がイメージできたら、次は資金面を検討しましょう。
「開業に必要な資金はいくらぐらいか」「実際にどれぐらい儲かるか」について、それぞれ解説します。
開業資金の相場
移動スーパーの開業資金の相場は350〜400万円です。
主な費用は以下の通りです。
- 車両購入費
- 設備購入費
- 資格取得費
- 広告費
- 出店料
- 車両維持費
- 車両保険費
上記のうち、最も大きな割合を占めるのは車両購入費で、これをいかに抑えるかが開業ハードルに直結します。
車両レンタルやリースを利用し、コストを下げる選択もおすすめです。
次に重要なのが設備購入費で、扱う商品によって必要設備が変わり、メーカーによって価格も異なるため、よく検討してから決めましょう。
なかでも、保存用の冷蔵ショーケースや冷凍ストッカー、宣伝用の放送スピーカー、陳列用の照明付き商品棚、手洗い用の流し台などは欠かせません。
また、キッチンカー開業に掛かる費用についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
移動スーパーでの収益イメージ
週5日(月20日)稼働、日販平均10万円、原価率を75%とした場合、月の収益は約40万円が想定されます。
売上/月 | 200万円 |
仕入れ原価/月 | 150万円 |
諸経費/月 | 10万円 |
(車両償却費) | 5万円 |
(車両保険費) | 1.5万円 |
(ガソリン代) | 3万円 |
(その他費用) | 0.5万円 |
収益/月 | 40万円 |
また、フランチャイズに加盟する場合は仕入れ原価がかからない分、別途加盟料が発生します。
小売業は、飲食業と比較して原価率が高く仕入れの負担も大きいため、フランチャイズの加盟を検討するとよいでしょう。
移動スーパーで成功する秘訣
次に、移動スーパーの運営に欠かせないポイントを3つ紹介します。
成功法則を踏まえて、最善の開業プランを考えましょう。
お客様のニーズに寄り添う
移動スーパーはお客様との距離が近いため、ニーズの把握も容易です。
コミュニケーションを取りながら、お客様が何を求めているのかを想像してみましょう。
たとえば、付近のコンビニにないような生鮮食品や、水や米などの重いものが自宅近くまで届けられるサービスなどです。
高齢層が多い地域の場合、特に喜んでもらえるでしょう。
それぞれのニーズに寄り添うことで固定客を獲得しながら売上にもつながるため、基本の成功法則と言えます。
地域性に合わせた時間・場所選び
移動スーパーは、地域に密着したサービスを提供できるのが強みです。
出店する地域の気候や流行、根付いている文化など、特性を詳細に分析してみましょう。
客層に合わせて、時間や場所を変えていくのもおすすめです。
地域ごとに売れやすい商品や、お客様の多い時間・場所を分析し、それに沿って移動することで安定した売上を確保できます。
仕入れ・商品管理を徹底する
移動スーパーはストックできる量が少ないため、仕入れの想定を誤ると必要なタイミングで在庫が切れてしまう恐れがあります。
売上平均から必要数を把握し、天候や季節なども考慮しながら適正量を仕入れましょう。
万が一食中毒や火災などが発生すれば、操業停止のリスクもあります。
冷蔵・冷凍商品の管理や害虫の対策、衛生状態の確認など、定期的なチェックを欠かさないようにすることが大切です。
移動スーパーならではのワンポイントアドバイス
最後に、移動スーパーを運営するポイントを2つ紹介します。
高齢層に向けた宣伝方法
移動スーパーのメインターゲットは高齢層なので、広告・宣伝も高齢層の特性や習慣を踏まえる必要があります。
たとえば、SNSなどのWeb媒体を利用した宣伝は高齢層にとって身近ではないことから、効果を発揮しないかもしれません。
チラシを配布する、地域の広報誌に掲載してもらう、公民館や集会所に貼り出すなど、高齢層にアプローチしやすい宣伝を実施しましょう。
出店場所選びのコツ
人の出入りが多く、なかでも高齢層やファミリー層が足を運びやすい場所を選びましょう。
具体的には、公民館や集会所、大きな公園などが集客に有利です。
出店を繰り返す中で、地域の住民におすすめの場所をヒアリングするのも効果的と言えます。
出店場所の種類については、以下の記事でも解説しています。
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移動スーパーの開業には、車両の購入やカスタマイズから、ターゲットに合わせた販売商品・出店場所の考案まで、入念な準備が必要です。
MYキッチンカーは年間100件以上の出店サポート実績があり、移動販売車両の製作から開業準備までフルサポートしています。
無料個別コンサルも実施しているので、移動スーパーの開業を検討している方はぜひお気軽にお問い合わせください!
まとめ
移動スーパーは、少子高齢化やコロナ禍など時流もあって需要が増えており、今注目の業態です。
開業の際には事前にコンセプト・戦略を練ることが重要で、それを土台に車両や場所、商品選びに取り組むことが求められます。
また、食品衛生責任者や保健所の営業認可、出店場所の許可など、必要な資格も多いので調べておきましょう。
高齢層やファミリー層などメインターゲットに合わせて効果的に運営できれば、根強いリピーターを獲得することが可能です。
移動スーパーを成功させたい方は、お気軽にご相談ください!