個人で肉を仕入れる方法を解説！【黒毛和牛などの牛肉を安価で仕入れるには？】
業務用の肉を仕入れるには卸売業者や小売業者などさまざまなルートがあり、個人で仕入れるには二次問屋がおすすめです。
この記事では個人で肉を仕入れる方法、二次問屋とは何か、押さえておきたい仕入れ先、黒毛和牛などの牛肉を安く仕入れる方法について解説していきます。
個人で飲食店を開こうとすると、食材の仕入れルートをどのように確保するのか悩むでしょう。
また、一般の方でもイベントで大量の肉を仕入れたいとき、個人でも卸売業者から安く購入したいと考えるでしょう。
この記事を読んでぜひ参考にしてください。
知らないと損する!?個人で肉を仕入れる際の注意点
では、具体的に個人で肉を仕入れるときの注意点を2つ紹介していきます。
個人が卸売で肉を購入すると負担が大きすぎる
私たちがスーパーで見かける肉は、加工されているためすぐに調理できる状態になっていますが、卸売にある肉は部位ごとの塊を真空パックした状態で販売されています。
何も加工はされていないため、細かい骨を取り除いたり、脂を削ぐ作業を自分で行わなければならない点が負担が大きいと言えます。
また、基本的には一頭ごとの買取になるため重量も多く、価格面での負担も大きいでしょう。
では肉を仕入れるのは、どうしたらよいのか次に解説していきます。
卸売は3つの種類がある
卸売には【一次問屋】【二次問屋】【三次問屋】の3種類があります。
それぞれの特徴について以下にまとめていますので、ご参照ください。
- 一次問屋：生産者や海外から直接仕入れ、次の卸業に販売する元卸（一頭単位で購入）
- 二次問屋：元卸から次の卸業へ販売する中間卸（精肉加工を行う）
- 三次問屋：小売業者（スーパーやコンビニなど）に販売する最終卸
なぜ一〜三次まで問屋があるのかと疑問に思うでしょう。
生産地が世界全国にあり、無数にある生産者を一次問屋がすべて集約しています。
全国から集まった商品を、一次問屋がそれぞれの小売業者に販売するのは業務上困難であるため、二次問屋や三次問屋に流通を任せることで商品を全国の消費者に届けているのです。
また二次問屋は、三次問屋や小売業者に販売するため骨や脂を取り除く精肉加工を行なっています。
個人で卸売で肉を購入する際は、精肉加工された肉が購入できる二次問屋を利用するのがおすすめです。
押さえておきたい肉の仕入れ先【5選】
具体的にどこの業者がよいのか、抑えておきたい仕入れ先の業者を5社紹介します。
K＆いい肉.com
国産から輸入肉まで幅広く仕入れており、あらゆる料理に使用できる肉が多数用意されています。
一部の商品を除いたすべての商品に【産地証明証】が付いているため、品質が保証されているのが特徴です。
おすすめ商品は以下の3つです。
- 牛トップサイド（ウチモモ）
- 豚スカートミート
- 黒毛和牛スジ
牛トップサイド（ウチモモ）
メキシコ産のグレイン肥育（牧草で肥育したあと、穀物で肥育すること）された牛肉です。
トップサイドは大きくやわらかい赤身肉であっさりしているため、ステーキやローストビーフなどに調理するのがおすすめです。
豚スカートミート
スペイン産の豚スカートミート。
横隔膜のハラミ部分のことを言い、ジューシーな味わいが特徴の部位です。
おすすめの調理方法はガーリックソテーや炭火焼で、スカートミートのジューシーさが味わえます。
黒毛和牛スジ
九州産の黒毛和牛を捌いたときに取れたスジ。
長時間煮込むことでやわらかくなり、コクがでてくるため、煮込み料理やカレーに使用するのがおすすめです。
食肉卸.com
創業40年以上の実績がある業者で、全国に650店舗以上の取引先を抱えています。
業界最安値に挑戦していること、開業時の見積もりに対応していること、500gから仕入れ対応していることなどが強みです。
本社は愛媛県にありますが、東京の市場7か所と提携しており、肉の仕入れが加工日から10日以内にできるようになりました。
人気ランキング上位の商品は以下の3つです。
- 国産鶏もも肉2kg
- 黒毛和牛三角バラ
- 国産牛小腸（ホルモン）
国産鶏もも肉2kg
人気ランキング1位の商品です。
宮崎県産の鶏もも肉をメインに入荷しています。
新鮮な状態のまま、2kgの鶏もも肉を真空パックしているため鮮度は抜群です。
肉質はやわらかく、唐揚げや照り焼き、蒸し鶏などあらゆる調理に適しています。
黒毛和牛三角バラ
主に関西〜九州地方の黒毛和牛を入荷しています。
赤身と脂のバランスがよいため、焼肉で食べるのがおすすめ。
表面は脂で覆われて仕入れられており、不要な脂を取り除く作業が発生します。
国産牛小腸（ホルモン）
地域によって「マルチョウ」「ヒモ」「シロ」などと言われている牛の小腸。
1kgずつ真空パック詰めすることで、鮮度を保っています。
おすすめの調理方法は、鍋や煮込み、ホルモン焼です。
Mマート
Mマートは食材取引サイトです。
企業間取引を基本としており、会員登録することでサイトが利用できます。
肉以外にも魚介類、農産物、発酵食品、総菜などさまざまな食材も合わせて購入できるのが特徴です。
おすすめの肉製品は以下の3つです。
- 黒毛和牛サーロイン
- アメリカ産 霜降り上カルビ
- メキシコ産牛バラスライス
黒毛和牛サーロイン
A4、A5ランクの黒毛和牛を、200gにカットして真空パックされた商品です。
注文を受けてからカットして真空パック作業を行うため、鮮度のよい状態で出荷されています。
冷凍する場合は、真空パックのまま冷凍可能。
調理方法はステーキがおすすめです。
アメリカ産 霜降り上カルビ
アメリカ産の霜降り上カルビは、国産のものと比較しても劣らない脂とうまみが特徴。
国産と比べて価格が抑えられていることもあり、リピート率が高い商品となっています。
焼肉やサイコロステーキで食べるのがおすすめです。
メキシコ産牛バラスライス
メキシコ最大級の牛肉パッカーである「スカルネ社」から仕入れた商品です。
とうもろこしを肥料として育てられた牛を生後15〜24か月で出荷しているため、クセがなくやわらかい肉が特徴。
調理方法は焼肉をはじめ、すき焼き、しゃぶしゃぶ、牛丼などさまざまな方法で楽しめます。
新井商店
群馬県にある、豚ホルモンを専門に取り扱っている業者です。
卸売はもちろん、一般の小売向けにも販売されており、少量でも配送してくれるのが魅力。
ホルモンはすべて真空パックされ、鮮度を保っています。
新井商店おすすめの商品は以下の3つです。
- 国産上もつ1kg
- 国産豚トロ1kg
- 国産ガツ1kg
国産上もつ1kg
豚の大腸部分です。
ビタミンD、B、葉酸などの栄養素を豊富に含み、噛めば噛むほど味わいが深まります。
焼肉にして食べればコリコリした歯ごたえがあり、煮込めばトロトロしてくるため、調理方法によって違う食感が楽しめるのが魅力です。
国産豚トロ1kg
豚の首部分である豚トロは、一頭から300gほどしかとれない貴重な部位です。
見た目や脂の具合からマグロのトロのようだと言われ「豚トロ」と呼ばれるようになりました。
焼くと脂がにじみ出てくるため、フライパンに油を引かずにカリカリに焼くのがおすすめです。
焼いた豚トロに、塩や柚子胡椒、わさびしょう油などをつけるとさっぱり食べられます。
国産ガツ1kg
豚の胃袋のことを「ガツ」と言います。
脂が少なく、砂肝のようなコリコリした食感が特徴です。
おすすめの食べ方は、ガツを茹でて冷やした後お好みのタレで食べるガツ刺し。
わさびしょう油やピリ辛タレと相性が良く、おつまみにおすすめです。
株式会社ミートキムラ
東京に工場を構える創業40年以上の実績がある卸売業者です。
仕入、加工、配送までの一連の作業を自社で行なっています。
希望に応じてスライス加工もしてくれるため、注文する際に相談してみてください。
焼肉用やバーベキュー用など、個人向けに作られたセットも用意されています。
おすすめの商品は以下の3つです。
- 和牛ダイナミックカルビ
- 特選牛タン
- スペアリブ
和牛ダイナミックカルビ
ミートキムラ一押しの黒毛和牛のカルビ。
濃厚な脂が特徴であり、焼肉に適している商品です。
特選牛タン
焼肉には欠かせない牛タン。
アメリカ産やオーストラリア産をメインに取り扱っています。
カルビと一緒に購入されることが多いとのこと。
スペアリブ
食べ応えのある骨付きバラ肉。
焼いたスペアリブをバーベキューソースや塩コショウで食べるのがおすすめです。
イベント目的の購入なら小売業も視野に！
先述した卸売業者は企業間とのやりとりがメインですので、個人での購入は難しいところもあります。
バーベキューやお祭りなどのイベントで肉を購入したい場合は、小売業を利用するのもおすすめです。
以下の2つの小売業について詳しく解説します。
肉のハナマサ
肉のハナマサは、東京・埼玉・千葉など首都圏を中心に展開している小売業者です。
大量に仕入れることでグラムあたりの単価を下げて販売されています。
そのため、一つひとつの商品が大容量なのがハナマサの特徴です。
プロの料理人が仕入れに来店しており品質が保証されているのも嬉しく、知識の少ない個人客も歓迎されているので利用しやすい雰囲気です。
業務スーパー
品質のよい商品を低価格で購入できる店として、業務スーパーも注目されています。
自社で原材料から製造まで行っているプライベートブランドを持っているため、品質のよい商品が低価格で購入できるようになりました。
他にも海外からの輸入商品は1回にまとめて大量輸入していること、メーカーから直接仕入れていること、店舗では段ボールのまま陳列して無駄を省くなど、徹底的なコスト削減に取り組んでいます。
消費者の手に渡るまでの過程で、手間やコストを削減することで、高品質ながら低価格の商品を手に入れることが可能です。
業務スーパーは個人客から飲食店経営のプロまで利用できます。
おいしい肉を仕入れるには？
美味しい肉を仕入れるには、2つのポイントがあります。
肉の仕入れの秘訣は信頼関係
卸売業者とのコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことで良質な肉を優先して仕入れてくれたり、仕入れに関する耳寄りな情報をくれます。
礼儀を大事に、誠意ある対応でコミュニケーションを図って卸売業者との信頼関係構築を目指しましょう。
鮮度のよい肉の見分け方
牛肉・豚肉・鶏肉の鮮度のよいもの、落ちているものの特徴を紹介していきます。
どのような状態が鮮度がよいもの、落ちているものなのか具体的に記載してますので参考にしてください。
| 鮮度がよいもの | 鮮度が落ちているもの | |
| 牛肉 | ・ドリップが出ていない ・少し赤っぽい、ワイン色 ・脂部分は乳白色 | ・ドリップが出ている ・赤黒く、くすんだ色 ・パサパサしている ・脂が赤身から離れている、色が黄色 |
| 豚肉 | ・ドリップが出ていない ・淡いピンク色 ・脂は乳白色 | ・ドリップが出ている ・暗い色、褐色がかっている ・脂が黄色 |
| 鶏肉 | ・ドリップが出ていない ・透明感のあるピンク色 ・表面に張りがある | ・ドリップが出ている ・白く濁って見える |
ドリップとは肉の旨みが含まれている水分を指すため、ドリップが出ているということは肉の旨みが外へ出てしまっていると言えます。
上記を参考に、肉の鮮度を見極めましょう。
考えておきたい仕入れポイント
肉を仕入れるときに考えておきたい3つのポイントを紹介していきます。
品質と価格が釣り合っているか見極める
過去には、卸売業者との信頼関係がまだ築けていないときに、品質がよくない肉を高価格で仕入れられるトラブルが発生したケースもあります。
品質のよくない肉を仕入れることは、なんとしても避けたいです。
肉の品質と価格が釣り合っているかを見極めるためには、目利きが重要になります。
先述した鮮度を見分ける方法や、品質が分かるように目を養いましょう。
配送方法と支払方法の条件がよいか
卸売業者によっては配送する日程が決まっているところがあります。
肉の配送方法や日程と、店の営業日が合うか確認しましょう。
支払い方法はクレジットカードや銀行振込、代引きなどさまざまな方法があります。
卸売業者が利用できる支払い方法と、自分の希望する支払い方法の条件が合うかも確認してください。
取引先の対応がよいか
取引先の卸売業者とは、今後長い付き合いになるでしょう。
信頼関係を築くためにコミュニケーションは必須ですが、相手の対応も大事です。
あなたにとって取引先の対応がどうか、コミュニケーションが円滑に取れるかどうかを確認してください。
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まとめ
個人で肉を仕入れる方法について解説してきました。
卸売業には一〜三次問屋があり、個人で卸業から仕入れるには二次問屋を利用するのがおすすめです。
二次問屋は一次問屋から仕入れた肉を精肉加工して販売してくれるため、自分で精肉する手間が省けます。
肉を仕入れるのに利用できるのは卸売業者だけではなく、業務スーパーなど小売業者でも可能です。
業務スーパーは大量仕入れやプライベートブランドを持つことで低価格で高品質な肉が購入できます。
バーベキューや祭りで使用する肉を仕入れるには、業務スーパーを利用しましょう。
また卸売業者を利用する場合は、お互いの信頼関係の構築が重要です。
良質な肉を優先して卸してくれたり、肉の目利きに関するアドバイスをくれるなど優遇してくれます。
卸売業者とはコミュニケーションを取り、良好な関係を築いておきましょう。
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