ラーメンは老若男女から愛されるメニューであるほか、高い利益率を見込めるメニューです。
ラーメンのキッチンカーを開業したいと考えたとき、「キッチンカーでラーメン屋を始めたいけど成功するか不安」「何から始めたら位かわからない」と、初めての開業だと悩むことだらけでしょう。
この記事では、キッチンカーでラーメン屋を開業するメリットや成功の秘訣、開業までの手順をまとめました。
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キッチンカーでラーメン屋を開業するメリット
まずは、キッチンカーでラーメン屋を開業するメリットを紹介します。
利益率がよい
一般的にラーメンの利益率は、約60~70%前後と言われています。
仮にとんこつラーメンの価格を900円に設定した場合、材料費の内訳は以下の通りです。
- タレ・スープ:100円
- 麺:50円
- 具材:55円
- 容器:15円
このように、約220円の原価でとんこつラーメンを作ることができます。
売上原価を30〜50%以下に抑えることが必須とされる飲食業界で、1杯70%以上の利益率をあげるラーメンは、売れば売るほど儲かる利益率のよいメニューと言えるでしょう。
提供スピードが早い
ラーメンは調理時間が短く作業工程もシンプルなので、お客様に素早く提供できます。
提供スピードが早ければ回転率が上がり、短時間で大きな売上が見込めるでしょう。
ランチタイムなど短時間で多くのお客様が訪れる時間帯は、回転率のよさが武器になります。
ランチだけでなく夜も需要がある
ラーメンはランチとしてだけでなく、晩ごはんやお酒を飲んだ後のシメに食べる人も多いメニューです。
「出店場所を選べる」というキッチンカーの強みを活かして、ランチタイムはオフィス街、夜は住宅街や繁華街に出店すれば、時間帯を問わず集客できるでしょう。
メインはランチタイムだとしても、夜にも売上を見込める点は、キッチンカーを経営するうえでメリットと言えます。
老若男女問わず人気
ラーメンは日本の「国民食」とも言われる程、老若男女問わず人気があります。
そのためターゲット層が幅広く、出店場所の選択肢も多く見込めるでしょう。
もちろん、豚骨味は若い男性・塩味は女性など、スープのジャンルによってターゲット層は異なりますが、基本的に「ラーメン自体が嫌い」という人は少ないと思います。
クレープやタピオカなど、ターゲット層が偏るようなメニューに比べ、性別を問わず幅広い世代に人気のラーメンなら、さまざまな出店場所での売上が期待できるでしょう。
キッチンカーで営業するラーメン屋のデメリット
キッチンカーでラーメン屋を開業するには、メリットだけでなくデメリットもあります。
競合が多い
ラーメンは老若男女問わず人気だからこそ、競合が多い点が最大のデメリットです。
2021年のタウンページの集計によると、全国には約24,300軒のラーメン屋が存在します。
ファミリーレストランや中華料理店・屋台でもラーメンを提供していることを踏まえると、競合はさらに増えると考えられます。
キッチンカーでの提供は「できたてをその場で食べられる」点で店内飲食には劣るため、競合が多い点はデメリットとして捉えられるでしょう。
ただし、コロナ禍を機にテイクアウトの利用が定着したこともあり、現在はキッチンカーのラーメン屋も需要が増えています。
仕込み場所を確保する必要
ラーメンはスープの仕込みに時間と手間がかかるため、仕込み場所を別で確保する必要があります。
「仕込みは自宅で」と考えている方もいるかもしれませんが、ほとんどの保健所は自宅やキッチンカーでの仕込みを許可していません。
仕込み場所がないと保健所から営業許可が出ないので、シェアキッチンや飲食店のキッチンを借りるなど、仕込み場所を確保するようにしましょう。
キッチンカーのラーメン店で成功するために必要なことは?
キッチンカーでのラーメン店開業に興味はあっても、「成功するか不安」という方もいるでしょう。
ここでは、成功するために必要なポイントをお伝えします。
トッピングやサイドメニューを増やし飽きさせない
一口に「ラーメン」と言っても、スープや麺の種類で全く味の印象が異なるため、バリエーションが増えれば別のメニューも食べてみたくなるはずです。
さらに、お客様を飽きさせない工夫として、サイドメニューやトッピングを充実させる、季節限定メニューを作るなども効果的でしょう。
お客様を飽きさせずリピーターを確保することは、キッチンカーでラーメン店を成功させるうえで重要な要素の一つです。
レシピをとことん探求・差別化することでリピーターを確保
競合の多いラーメンだからこそ、他店との差別化が成功のポイントになるでしょう。
こだわりぬいた唯一無二のスープを作る、低糖質麺を使ってヘルシーメニューを作るなど、お客様に「ここでしか食べられない」特別感を味わってもらうことが大切です。
レシピをとことん探求し、自分だけの強みをアピールすることがリピーターの確保にもつながります。
インパクトのある見た目でSNS映えを狙う
見た目のインパクトがあるラーメンを作って、SNS映えを狙うことも有効です。
最近では、飲食店を選ぶ際にSNSで情報収集をする人も多いため、SNSでの情報発信は必須と言えます。
さらにSNSで拡散されることで、広告費をかけずに集客の増加が見込める点も重要なポイントです。
ラーメンの味はもちろん、SNSを見た人が思わず足を運びたくなるような見た目も意識しましょう。
テイクアウトでもおいしさを保つ工夫
キッチンカーで提供するラーメンは基本的にテイクアウトメニューのため、時間が経ってもおいしさを保つ工夫が必要です。
たとえば「伸びにくい麺を使用する」「持ち歩いてもこぼれにくく保温効果のある容器に入れる」などが挙げられます。
できたての味を保つためにはどうすればよいかを考えて、自分の理想のラーメンをお客様に届ける工夫を凝らしましょう。
キッチンカーでラーメン屋を営業したときの収益イメージ
キッチンカーでのラーメン屋開業にあたって「収益がどれくらいになるのか」は気になるところではないでしょうか。
一般的にキッチンカーの平均収入は、約400〜800万円程と言われています。
年収に差がある理由は、キッチンカーは出店場所やメニューによって売上に差が出やすいからです。
売上の多いキッチンカーを除き現実的な年収に絞ると、年収の平均は約400~500万円と言われており、月収にすると約30~40万円です。
とはいえ、キッチンカーでの営業は商品が売れた分だけ収入として反映されるため、努力次第では平均年収より多く稼ぐことも夢ではありません。
利益
年収が約400万円の場合、必要経費を除いた利益は約200~230万円が一般的です。
個人事業主としてキッチンカーを営業する場合、利益から市府民税や健康保険料などを支払う点には注意しましょう。
経費
キッチンカーで営業を続けるためには、下記の経費が必要です。
- ガソリン
- 原材料
- トレイなどの梱包材・消耗品
- 駐車場
- 自動車保険
- 出店料
- キッチンカー維持費
- 水道光熱費
- PL保険代
- 営業許可継続・更新の申請費
キッチンカーを開業する前に、営業するにはどれくらいの費用が掛かるのか把握しておく必要があります。
詳しくは以下の記事を参考にご覧ください。
キッチンカーでラーメン屋を開業するための準備
キッチンカーでラーメン屋を始めるための準備や、必要な資格・設備などをご説明します。
開業の流れ
キッチンカーでラーメン屋を開業するまでの流れは、下記の通りです。
- コンセプトや戦略を考え必要コスト・予算を算出
- 開業資金の調達
- 必要な資格・設備・手続き
- 出店場所の確保
- キッチンカーの準備・仕込み場所の確保
- 必要な保険に加入
- 食材の仕入れ
- 広告・SNSなどで宣伝
また、開業についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
必要な資格・許可
キッチンカーの開業に必要な資格と許可は、下記の2つです。
- 食品衛生責任者
- 飲食店営業
食品衛生責任者の資格は、出店する地域を管轄している保健所で申請・取得できます。
飲食店営業の許可申請の際には、食品衛生責任者の資格と移動販売で使用する車の申請が必要です。
必要な設備
キッチンカーに必要な基本設備は、以下の通りです。
- シンク
- 給水・排水タンク(ラーメンなどは200L以上)
- 照明
- 換気扇
- 扉付き収納スペース
- 冷蔵設備
- 蓋付きごみ箱
- 電源装置
2021年6月の食品衛生法改正によって、キッチンカーの設備基準は全国で統一されました。
ラーメンなど大量に水を使うメニューでは、200L以上のタンク容量を求められる点に注意しましょう。
ただし、シンクの数や給水・排水タンクの容量については自治体によって細かい基準が異なるため、事前に営業許可を取得したい保健所に確認しておくことをおすすめします。
また、上記の基本設備以外に、麺を茹でる鍋や複数口のコンロも必要です。
おすすめの車種
ラーメンを移動販売するキッチンカーには、中型(1トン車)もしくは大型車両(1.5トン車以上)の車種をおすすめします。
麺を茹でるときやスープに大量の水を使用するため、大容量の給水・排水タンクが不可欠で、スムーズな導線の確保にはある程度の広さが必要だからです。
大容量の給水・排水タンクを載せることを考えると、軽自動車のキッチンカーでは調理スペースが狭くなり作業に支障が出てしまいます。
提供スピードを落とさないためにも、中型以上の車種がおすすめです。
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【全国】ラーメンを提供する人気のキッチンカー
ここでは、ラーメンを提供する人気のキッチンカーを紹介します。
ぜひ、メニューの参考にしてください。
一風堂
全国展開している一風堂は、コロナ禍をきっかけにキッチンカーも始めました。
関東の各地域で開かれる「こども食堂」にキッチンカーで赴き、無償でラーメンを提供する取り組みも行なっています。
廻(みち)
廻はキッチンカーでは珍しい本格ラーメンを提供しています。
店主はもともと中華料理屋で腕を磨いた後に、東京都の多摩地区で26年間ラーメン専門店を営業していました。
長年の経験に裏付けされたラーメンの味はお墨付きです。
ポルタフェリーチェ
ポルタフェリーチェは、愛知県岡崎市を中心に活動している移動販売のキッチンカーです。
「濃厚えびらー麺」や「本格担々麺」「餃子」「レアチャーシュー」など、さまざまなメニューで人気を集めています。
歌志軒
油そばで有名な歌志軒がキッチンカーを初展開しました。
「油そばの存在は知っていても、お店が遠くて行けない」などの声を、キッチンカーで解決します。
らーめん まるよし
まるよしは、福山市宝町の店舗とキッチンカーのハイブリッド営業を行なっています。
鶏ガラをじっくり煮込んだスープと、食べ応えのある煮鶏チャーシューが絶品です。
キッチンカーでラーメン屋を開業するなら実績豊富なMYキッチンカー
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まとめ
老若男女問わず人気のラーメンは、キッチンカー向きのメニューと言えるでしょう。
ただし競合も多いため、お客様はどのような商品を求めているのかを考えて、「ここでしか食べられない」特別感を味わってもらうことが大切です。
この記事を参考にレシピを探究して、キッチンカーでラーメン店を開業する夢を実現させましょう。