キッチンカーの営業では、冷蔵(冷凍)が必要と判断される食材を使用する場合は冷蔵庫(冷凍庫)の設置が必要です。
必要にも関わらず積載していなかった場合は、営業許可が下りない可能性もあります。
そこで、今回はキッチンカーおすすめの冷蔵庫と選び方を紹介します。
その他冷蔵庫を使用する際の注意点も解説するので冷蔵庫選びの参考にしてください。
キッチンカーに冷蔵庫は必要?
キッチンカ―営業にとって重要な、冷蔵庫設備について解説していきます。
メニューによっては冷蔵庫(冷凍庫)が必要
食材によって適切な条件下で保存するために、キッチンカ―に冷蔵設備を設置しなければいけません。
冷蔵設備が必要なのに設置されていない場合、保健所から移動販売の営業許可を得ることもできないので注意しましょう。
そしてさらに重要になるのが、冷蔵庫を設置するためには電源設備を搭載することも欠かせない点です。
それではキッチンカーで使用できる冷蔵庫をピックアップしたので、いくつか紹介していきます。
キッチンカーで使える冷蔵庫の種類
キッチンカ―で使用可能な冷蔵庫は下記の5つです。
- 車載用冷蔵庫
- 小型冷蔵庫
- 台下冷蔵庫(コールドテーブル)
- 冷凍ストッカー
- 冷蔵ショーケース
車載用冷蔵庫
車載用冷蔵庫とは、電源プラグを車のシガーソケットに差し込み使用することができる車専用の冷蔵庫です。
車載用冷蔵庫のメリットは、シガーソケットから常に電気を供給されているため、走行中も継続して冷蔵庫を稼働できます。
シガーソケット用の延長コードを使用し、コードを伸ばせば冷蔵庫を調理場に置くこともできるので、「冷蔵庫を置いておきたい」と考えている方にはおすすめのタイプです。
反対に車載用冷蔵庫のデメリットは大きく2つ挙げられます。
1点目は、横幅が大きく作業スペースが圧迫される点です。
狭いキッチンカ―内では広いスペースを確保できないので、空間を埋めてしまうのは邪魔に感じられる方も少なくはないでしょう。
走行中のみ車用冷蔵庫を使用し、営業場所に到着後は車外に冷蔵庫を移動しスペースを確保するといった工夫も必要です。
2点目は、冷蔵庫の上面に開閉口があるため冷蔵庫上のスペースで作業することができない点です。
営業中に冷蔵庫を使う場面が少ない場合には、冷蔵庫の上部を簡単な調理台代わりに使える機種もあります。
設置する際には車体や営業方法に合うものを選ぶように気を付けましょう。
小型冷蔵庫
小型冷蔵庫は、車載用冷蔵庫と違い扉が前開きなので冷蔵庫上部を作業台として活用しやすいのがメリットです。
サイズもコンパクトなため、狭いキッチンカ―でも十分なスペースを確保しやすい所も魅力ですね。
しかし、小型冷蔵庫は一般家庭で使用されるAC100V用で、シガーソケットを使って小型冷蔵庫を動かすことができず、家庭用のコンセントでないと使用できないため注意しましょう。
小型冷蔵庫は、純正AC100V電源コンセントが装備されている車であれば使用可能です。
台下冷蔵庫・冷凍庫(コールドテーブル)
台下冷蔵庫はコールドテーブルと呼ばれ、キッチンカーでよく見かけるタイプです。
台下冷蔵庫の作業台の下に設置することができるので、調理しながらサッと取り出せすことができるため、作業効率がよいというメリットがあります。
反対にデメリットは、横開き型のため開閉によって外気の影響を受けやすく、温度上昇が早いことです。
購入の際は扱う商品を考慮してから決めましょう。
アイスのように庫内温度を一定に保つ必要がある食材は冷凍ストッカ―を使用するのがおすすめです。
また台下冷蔵庫には本体奥行きが60㎝の物と45㎝のタイプがありますが、作業スペースの広さを基準に選ぶようにしましょう。
限られたスペースの車内に置くなら45㎝の方がおすすめです。
冷凍ストッカー
冷凍ストッカーは、アイス・氷・揚げ物など、冷凍食品をたくさんストックする方向けの冷凍庫です。
扉が上向きなので冷気が逃げにくく温度上昇を抑えられるのがポイントですね。
AC100V用の冷蔵庫なので、小型冷蔵庫と同じく家庭用コンセントを用いれば使用可能です。
食材を自宅保管する際にも使うことができます。
デメリットとしては、扉が上についているので冷蔵庫の上を作業スペースとして有効的に使えないという点が挙げられるでしょう。
冷蔵ショーケース
冷蔵ショーケースは、ケーキ屋さんなどで広く普及している冷蔵庫です。
ガラス張りのケースでお客様に見せながら使えることが魅力的ですが、見た目の割に機能性は高くありません。
デメリットとしては、価格が高額・(ガラス製の為)保冷効果が高くない・ちょっとした衝撃で扉があきやすく走行時に不安定、ということが挙げられるでしょう。
走行中に冷蔵庫を稼働するには?
では、走行中に冷蔵庫を稼働させるにはどうすればいいのでしょうか?
稼働させるにあたっていくつか注意点があります。
そこで次は走行中に冷蔵庫を使用する方法についてお伝えします。
①シガーソケットを使用して動かす
先ほどお伝えした車載用冷蔵庫であれば車のシガーソケットを通して使用でき、シガーソケット用の延長コードを使用すれば、冷蔵庫を置ける範囲が広がります。
しかし、シガーソケットにしか対応していない機種の場合、エンジンを停止すると冷蔵庫も同じく停止してしまいます。
対策としては、ACアダプタにも対応している機種であれば、車を止めたあとでも発電機から電源を確保できます。
どの種類のケーブルに対応しているかどうかは選ぶ際の重要なポイントとなるでしょう。
➁サブバッテリーとインバーターを使用して動かす
走行時にも冷蔵庫を使用する方法は他にもあります。
【サブバッテリーを活用した使用方法】
まずサブバッテリーを活用した方法について確認していきましょう。
サブバッテリーとは、クルマのエンジン以外に使用するバッテリーです。
メインバッテリーを使用することもできますが、メインバッテリーを使用しているとバッテリーがあがってしまう可能性があります。
そこで走行中に冷蔵庫を使うのであれば、メインバッテリーとは別にサブバッテリーを設置し、インバーター※を介して電源を確保する方法がおすすめです。
サブバッテリーを充電するには、下記の3つの方法があります。
・車両にアイソレーター※を設置し走行中の電気を貯める方法
アイソレーターを使用すると、メインバッテリーが満充電になった際にサブバッテリーに余分な電気を充電することができます。
エンジンが稼働している間は充電できるので、走行を続ければ続けるほど充電量も増えていきます。
ただそれほど充電量が多くないというのは懸念材料です。
・外部充電装置(家庭用コンセントから変圧器を使って充電)を使用し電気を貯める方法
外部からの充電供給を活かす方法も存在します。
車外部にコンセントを取り付け、外部から取り込んだ電源を車内バッテリーで充電する方法です。
設備が整っている環境であれば、充電用のコンセントが準備されているケースもあります。
外部充電装置を使う方は下調べも重要です。
・ソーラーパネルを設置し電気を貯める方法
ソーラーパネルを使用した場合の利点は、車が走行していなくても太陽光が当たっていれば発電ができることです。
前者2つの場合は車の走行距離が少ないと充電に不向きですが、ソーラーパネルを設置した場合はこの問題はクリアできます。
なおかつ直接サブバッテリーへの充電が可能なので、車の他の機能を使っても充電量に問題なくバッテリーを使えます。
ただし、車高制限があるガレージなどで販売する際に取り付けてしまうと入れなくなる可能性もあります。
※インバーター…家庭用コンセントに使えるように変換するもの
※アイソレーター…走行中の電力をバッテリーに貯めるための装置
キッチンカーでの電源確保について詳しくはこちらの記事をお読みください。
出店していない日の冷蔵庫は?
次に、出店していない日の冷蔵庫はどうやって稼働させるのでしょうか?
①食材を自宅の冷蔵庫で保管する
キッチンカ―で使用する食材の量が少ない方や、頻繁に出店しない方は自宅の冷蔵庫に移す方法がおすすめです。
自宅の冷蔵庫で保管すれば、キッチンカーの冷蔵庫へ在庫を確認しに行く手間も省けます。
最低限度の食材のみ積み込む場合は小型冷蔵庫があれば大丈夫でしょう。
➁自宅の電源に冷蔵庫を繋ぎかえる
しかし、出店していない日もキッチンカーの冷蔵庫をそのまま稼働させておきたい方もいるでしょう。
自宅の冷蔵庫に中身が入りきらない場合や、中身の移し替えが大変な場合は、自宅の電源に冷蔵庫を繋ぎなおすしかありません。
出店頻度や材料の分量を把握した対応を状況に合わせて行う必要があります。
キッチンカーでは製氷機で自作した氷の使用不可
最後にですが、自家製の氷の使用が禁止されているのをご存じでしょうか?
キッチンカーでドリンクなどを出す場合、食中毒のリスクがあるため自家製の氷は使用ができません。
提供物に氷を使用する場合は、市販のロックアイスを使用するようにしましょう。
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まとめ
キッチンカ―で使える冷蔵庫についてここまで紹介してきました。
何より大切なのは、販売する商品や活動スタイルに合わせた選び方が重要ですね。
オーナー様自身に合った方法で機種選びをされることをおすすめします。
キッチンカーの内装について詳しくはこちらの記事をお読みください。